3rdライブへまっしぐら!【LoveLive!Sunshine!!Aqours 3rd LoveLive! Tour ~WONDERFUL STORIES~へ寄せて】

皆さんこんにちは、とっきーです。

今回は『3rdライブへ寄せて』というテーマで書こうと思いましたが、考えてみたらライブに関して私は有益なアドバイスなんかできませんし、現地では脳がショートしてしまって覚えていないことが多いので、いつも通り『自分語り』することにします。

まぁそんな私ですが、等身大の自分でライブに臨む『意気込み』を書いておきたくて、こうして企画に飛び込んだ次第でございます。

今回は(も?)自分語りの純度100%。

早速ですが、よろしくお願いいたします。

僕のラブライブ!

私達は2017年10月から12月までの約3か月間、皆でAqoursの物語を追いかけました。

私は彼女たちが悩み、迷い、出した答えを何度も見返し、感想を綴ってきました。書き始めたのは♯3『虹』からでしたが、長い文章なんてこれっぽっちも書いたことのないオタクが自分なりの言葉で書いてきました。

その長いようで短い楽しかった時間の中で、私は沢山の仲間と出会いました。

この『出会い』が『僕のラブライブ』を構成するかけがえのないピースになっていると思っています。

井の中の蛙』と『劣等感』

私は2nd神戸まで、自分が1番ラブライブを楽しめている!!と思っていました。

なぜなら周りに仲のいいラブライバーがおらず、自分のことしか見ていなかったから。

比較対象が居なかったからです。

しかし、今はたくさんの仲間がいます。

ラブライブを愛する心を持って、OSTや歌詞考察をする方。

膨大な知識で、論理的に物語考察をする方。

素敵な文章力と構成力で、沢山の魅力を広く伝えてくれる方。

ある1曲を深く考え、深く深く愛する方。

キャラと同じくらい、もしかしたらそれ以上にキャストを愛する方。

音楽知識で、新しい知見を広めてくださる方。

振りコピやライトなど、皆にライブの楽しみ方を提案してくれる方。

推しについてひたすら向き合い、愛を深める方。

大好きなキャラを借りて、自分で物語を紡ぐ方。

イラストでキャラへの愛、ラブライブサンシャインへの愛を表現する方。

挙げればキリがありません。

それくらい素敵な仲間が、沢山できました。

私はそんな皆さんのことが大好きですが、『劣等感』のようなものも感じていたことがあったんです。

すごいな。

勝てないな。

皆、自分なんかより遠いところに居るんだな。

そう思って自分にバツをつけていたし、素晴らしいものを書き上げる皆さんのことを妬ましく思う時もありました。そしてなにより、そんなことを思う自分が1番嫌いでした。

でも気づいたんです。

一人ひとりにそれぞれのラブライブがあって、その人なりの最高の楽しみ方がある。

その人だけの無限大の『楽しいラブライブ』がある。

そう思ったら、心がふわっと軽くなったんですよね。

自分しか知らず、というか自分のことさえ知らなかったあの頃の私はただ楽しかったです。

しかし、周りに沢山の仲間ができて、皆さんのことを知って。(勝手に)悩んで、自分のことを嫌いになって、こんな気持ちになるくらいならブログとか書かなきゃよかったかも…と思ったことも正直ありました。

でも、今は心からブログをやってきてよかったなと思います。

だって、自分は自分ですから。

私の感じたもの、考えたものは私だけのもの。

そして、その逆も然り。

だからこそ、私のラブライブをアウトプットするのも、皆さんのラブライブをインプットするのも、最高に最高にさいっっっっっっこうに楽しかったです。

改めて、ここでお礼を言わせてください。

皆さんのお陰で、一人の時よりもラブライブサンシャインが大好きになりました。

こんな私と出会ってくれて、本当にありがとうございます。

こんな私ではありますが、私の記事や呟きで、皆さんの『ラブライブが好き』という気持ちを少しでも後押しできていたらいいな…と思います。

もう一人じゃないからこそ

ラブライブの愛し方は十人十色。

キャラが好きな方、曲が好きな方、ダンス、キャスト、物語自体。まだまだあると思います。そんな中で私がここ最近やってきたラブライブの愛し方が、『皆さんの好きなものを知る』というものです。

すると、実際のライブでその瞬間が来た時、『あの人は今この曲を聞いて嬉しいだろうな』、『この振り付けが好きって言っていたな』と自分まで嬉しくなってしまいます。

自分が聞きたいものや注目していた部分が見ることができて100点。自分の大切な仲間が好きなものを見て、その人のことを想って嬉しくなってもう100点。私がやってきたことは点数の上限を上げることでした。

だからこそ色々な方のブログを読み、『その人のラブライブ』を知ってきました。

ここのシーンはあの人が好きって言っていたところだ。

ここではあの人が語彙消失したんだっけ。

私はAqoursの軌跡の中に、自分たちだけの過ごしてきた時間を結び付けているんです。そのため、忘れられない景色の中に『皆で感想を言い合っていた頃の懐かしさ』を感じてしまうのです。

それは、自分たちだけのカタチを手に入れた彼女達の熱い熱いジャンプにも。

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Aqoursという枠、内浦という場所を飛び越え11人で作り出した一等星にも。

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一面が青に染まった光の海にも。

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そして、虹を架けたあの日も。

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これはAqoursの景色にして、私たちの思い出の景色だとも思うのです。だから皆さんの思い出を、もっと私に教えてくれませんか。

皆さんはどのシーンが好きですか?

誰の言葉が心に響きましたか?

私は大好きな皆さんの、大好きなものが知りたいんです。

WONDERFUL STORIESの複数形の中に、私たちの物語も含ませてみませんか?

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ見たことのない思い出の景色を、皆で見にいきませんか?

 

 

まだまだ遠いなと思っていたライブが、もうそこまでやってきています。

他の方もよく言うじゃないですか。『もうそこまで近づいてきている』って。

でも、向こうが近づいてくるのを待っているだけなんてラブライブらしくないですよ。

大切なもの全部抱きしめて、私たちの方から。

千歌ちゃんたちのAqours

伊波さんたちのAqours

そして3rdライブを

迎えに行きませんか?

そっちの方が素敵じゃないですか?

ワクワクしてきませんか?

なんてったってラブライブですよ!

何してくるかわかったもんじゃない!(褒め言葉)

このワクワクこそがラブライブではないですか?

彼女も言っています。

雲の上だって。

空を飛んでるみたいだって。

思いっきり楽しもう!

はじけよう。

そして、優勝しよう!

私たちの輝きと証を見つけに!

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私達も、彼女達の輝きと証をココロに刻む時が来ました。

だから、

さぁ行くよ!!!

3rdライブへ!

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まっしぐら!!

 

 

 

 

 

 

 

 

LoveLive!Sunshine!!Aqours 3rd LoveLive! Tour ~WONDERFUL STORIES~の開幕まで、あと9日

 

New winding roadへ寄せて

どうも、こんばんは。

もうね、New winding roadの話がしてぇんすよ…。

この気持ちを誰かと分かち合いたいんすよ…。

聞きました?6巻の特典、小原鞠莉ソロ曲のNew winding road

めちゃくちゃ良かったですよね。

僕、とっきーって名前でTwitterやらせてもらってるんですけど、『エモ太郎』って名前もあるんですよ(笑)

まぁそんな話は別にいいんですけど…だからこそ最近は「エモい」を使わずにちゃんと言葉にして呟こうと思ってて。

でも、あの曲を聞いた時は本気で言葉が出なくて。

何を綴っても薄っぺらくて。

この曲に関してはもう『エモい』しか言えませんでした。

140文字じゃ収まらないし、そもそも心が震えているこの気持ちをどう書いていいのかもわからないし。

鈴木愛奈小原鞠莉への完全な敗北。

だからまぁ…綺麗にまとめられないなりに、感想垂れ流していきます。

イメージはオタク同士のLINE電話みたいなものです(伝わるかな?)

僕、話し出すと長くてくどい事に定評があるので、もういいわ!って思ったら気にせずブラウザバックしてください(笑)

では早速行きましょう。

New winding roadの魅力

ソロ曲全部に言える事なんですけど、特典曲はキャストとキャラの強みを活かして融合してひとつの曲に落とし込んでるなぁって思ってて。

とりあえず一つひとつ見ていきますね。

小原鞠莉の軌跡

‪‪鞠莉‬はダイヤ、果南とAqoursを始めて、本当に楽しそうで。でも怪我をして、気が進まない留学をして、2年間も無駄にしてしまったって言葉も言ってしまったり。

winding roadって曲がりくねった道ですよね。

‪鞠莉‬は沢山たくさん遠回りをしてきた女の子なんです。

でも、無駄だと思った2年間があったから『理事長』になって浦の星女学院に戻ってこれた。

そして、果南の留学の勧めを断ってしこりが残ったままAqoursを続けていたら、きっとあの時「この空はつながってるよ」なんて言えなかったと思うんですよね。

‪とはいえ、鞠莉‬は好んで遠回りをしてきたわけじゃない。

泣いたりもしたし、辛かっただろうし、苦しかっただろうし。でも、その日々は決して無駄なんかじゃないんです。遠回りをしてきたからこそ見つけられた宝物が、言えた言葉があったんです。

遠回りは無駄なんかじゃなく、‪鞠莉‬を構成する大切なピースなんです。

千歌の軌跡は‪虹のように、誰かを導くものかもしれない。

でも、‪鞠莉‬の曲がりくねった軌跡はきっと、星座のように意味を持つ。

僕はそう思っています。

そんな彼女が歌うんですよ。

私はこれからも新しい遠回りをしていくよって。いつか語り合えるその日まで、頑張ってみようかって。

痛みは負うかもしれないし、楽しいことばかりではないかもしれない。

‪でも、鞠莉‬はきっとそんな困難全部を楽しんでいけると思っちゃうんですよ。

‪鞠莉‬は真っ直ぐな道は絶対飽きる。

「こんなんじゃつまらないデース」とか言って。

だから、

道はずっと真っ直ぐ?違うね多分

このフレーズを言う‪鞠莉‬は絶対笑顔

鞠莉‬は‪鞠莉‬だからこそ、笑顔でこれからもwinding roadを歩いて行けるんだと、私は思います。

 

鈴木愛奈の存在

1番最初のあいにゃを見た時の印象は『歌が上手くて正確な子だな』というものでした。

そこからニコ生やラジオ、雑誌のインタビューなどを通した後では、もちろん持ち前の明るさ、すぐ泣いてしまう人の良さなど、‪鞠莉‬っぽさを感じていました。

しかし、僕の中のあいにゃのイメージはほとんど変わらず、頑張り屋のいい子だなぁ…という程度でした。

そのイメージがいい意味で壊れたのが2期1話。

「ごめんねちかっち!てへぺろ

このセリフの中にたくさんの感情が詰まっていたんですよね。鈴木愛奈の声じゃなくて小原鞠莉の声だと違和感なく思えるほどの演技。

悔しさ、やるせなさ、悲しさを、カラ元気の中に込めたあの言葉を聞いて、僕は鈴木愛奈の何を見ていたんだと自分に怒りが湧く程でした。

彼女の感情が乗った演技はまだまだ止まりません。

2期7話の「浦の星女学院は、沼津の高校と統合することになります」という全校集会でのセリフ。

心が苦しくなるくらい明るいんですよね。顔は写っていないけれど、‪鞠莉‬は絶対張り付いた笑顔で心の中で泣いていたと思います。

2期11話の「もう少し頑張れれば…」という閉校祭最後の挨拶でのセリフ。

ここまで浦の星女学院を愛してくれるみんなへの感謝、己の卑下、後悔…

それら全てが込められています。

歌が上手くて‪鞠莉‬に似ているだけ(悪い意味じゃなく、この時点で僕には充分素敵に見えていました)だと思っていた声優鈴木愛奈は、本当は‪鞠莉‬の気持ちに最大限に寄り添える最高の表現者でもあったんですよね。

 

そんな彼女の武器である『歌唱力』と『感情表現』が、鞠莉‬の心情を自分へのエールのように高らかに歌うこのNew winding roadでは遺憾なく発揮されていました。

 

本当は今すぐ会いたいけど、今は会いたくない。

大好きな場所にずっといたいけど、新しい場所へ行きたい。

そういった相反する気持ちが自然に歌声に溶け込んでいるんです。

感情豊かで、高校生が背負うべきでない責任と重圧を背負い、Aqoursという居場所を愛した小原鞠莉の気持ちを。

そんな彼女のこれからへの決意の気持ちを。

鈴木愛奈はこの5分の中にすべて込めているんです。

それはきっと、鈴木愛奈さん以外に出来るものではありません。

どんなに歌が上手い人がNew winding roadを歌っても、僕はここまで心が震えることはないと思います。

鈴木愛奈が積み重ねてきた時間。

小原鞠莉が積み重ねてきた時間。

この2つが混ざりあって、化学反応が起きて、まったく別次元のものになったんです。

だからこんなにも僕は心が震えているんだと思います。

 

鈴木愛奈が演じるキャラが小原鞠莉で良かった。

小原鞠莉鈴木愛奈が出会えて本当に良かった。

 

曲がりくねった道の先に何があるかは分からない。自分の道が正しいかなんてのは走り終わってみないと分からない。

だから彼女たちは、まぶしい光を探して歩き続ける。

この新しいwinding roadを。

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高海千歌とリーダーの話【千歌ちゃんについて語ってみた②】

皆さまこんにちは。

前回のブログでは、千歌の家族や幼馴染の発言から千歌の過去を妄想しました。

今回は、物語を通して立ちはだかる困難に対し、千歌がどのように考え、行動し、成長していったのか。その軌跡を妄想してみたいと思います。

書きたいことを勢いのままに書いてしまっているので割と長いです。そのため、鍵となるエピソード毎に区切って書いていきます。

さて、ベタなことを書きますが、今の自分を作るのは過去の時間。未来の自分を作るのは今の時間です。千歌は困難にぶつかる度に立ち止まり、悩み、自分なりの答えを出してきました。私はこの『悩むこと』と『答えを出すこと』がとても重要だと考えています。

千歌が現状を打破しようと悩み、出した『答え』。千歌が一人で出した答えの多くは正しいものではありません。だからこそAqoursの皆が千歌に言葉をかけ、行動を起こし、千歌の軌道を修正します。

それはあの9人でなければ踏み出せない一歩で、その一歩が積み重なっていくことで千歌の未来は形作られていくはずです。

千歌の未来を考えるために、まずは彼女の歩みをしっかりと見ていきたいのです。

千歌ちゃんの物語に私なりの敬意と愛情を持って、紐解いていきたいと思います。

 

とは言っても千歌についての切り口は色々とあります。そのため、内容がブレないようにひとつとなるテーマを決めて、それを中心に見ていきます。

そのテーマは、ブログのタイトル通り

『千歌とリーダー』について。

このテーマを選んだ理由は超個人的なものです。

私は"一応"リーダーの高海千歌

ちかっちって呼んでね!

高海千歌伊波杏樹さんの挨拶の一文にある、千歌の"一応"を否定したかったんです。

千歌ちゃんはちゃんと、Aqoursのリーダーだよ。

私はライブやニコ生の度にそう思っていました。「面倒くさい奴だなコイツ。こじらせオタクか?」なんて思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私は大真面目にそんなこと考えているんです。

なので、今回はこのテーマで語りたいと思います。

 

※注意

あくまで私の妄想です。こうだったら個人的にエモいなぁという見方をしています。そこの所に留意して、読んでいただければ幸いです。

 

…さて、前置きはこれくらいにして。

それでは行きましょう。

 

リーダーに必要なこと

リーダーに必要なことは沢山あります。本屋にはリーダーシップに関する本が沢山並び、テレビにはドキュメンタリー番組として凄腕のリーダー達が特集されています。そんな中でリーダーをやったことがない私が自分なりのリーダー論で話をするのは説得力がありません。

というわけで、アニメ内でなにかリーダーシップについて明言しているものはないか探してみました。

‪鞠莉‬の横の張り紙に注目してください。

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細かい字は分かりませんが、読める範囲で抜き出してみました。

リーダーに必要なこと

  • 自信

  • 責任感

  • 決断性

  • 活動性

  • 社交性

#11「浦の星女学院」で、しいたけがゲートを壊した後のワンシーンです。

おあつらえ向きにみかん色で書かれている事ですし、この5つについて千歌が持っているもの、いないもの、手に入れたものを照らし合わせていきます。

活動性

東京にμ'sとの違いを探しに行ったり、学校説明会への突破口を探し続けたり。千歌は自分が動くことで未来をちょっとずつ変えてきました。千歌の活動性は確かに存在しています。

社交性

Aqoursの前進の力となった『悔しさ』を与えてくれた『0の結果』とSaint Snow。「諦めた方がいいかもしれません」という厳しい言葉をかけた聖良と、千歌はいつのまにか電話でやり取りするほどの関係になっていました。千歌の社交性は他のメンバーも思わず驚いてしまうほどです。 

 

千歌はリーダーに必要な5つのうち、2つは持っていることが分かります。

では残り3つはどうでしょうか。

各エピソードを通して見ていきましょう。

#3『‪虹』から分かること

千歌はラブライブ予備予選学校説明会のどちらも出場する手段を探し、みかんを運搬するためのモノレールを見つけます。私はそのシーンを見た時点で両方で9人のパフォーマンスができるなと思いました。しかし、予選会場にいたのは二年生+黒澤姉妹のみで、果南、鞠莉、善子、花丸は学校で待機していました。

5人で間に合うなら9人でも間に合います。実際#3は9人の予選後に説明会に間に合っていますし、5人でなければいけない理由はなんだったのか私には疑問でした。

色々と考えてみて勝手に腑に落ちたのですが、だったのではないでしょうか。

『5人で間に合う』ではなくて 『5人が間に合わなかったら』。『9人で間に合う』ではなく『9人が間に合わなかったら』。9人の案は間に合わない時のリスクが大きすぎたんです。

千歌の頭の中で思い描いた本当にやりたかったプランは

  1. Aqours9人で予選に出場する。
  2. みかんのモノレールに乗り、学校の近くまで行く。
  3. そこから走って学校へ向かい、9人で説明会で歌う

というもの。

しかし、実際に千歌が取ったプランは

  1. 2年生+黒澤姉妹で予選に出場する。
  2. みかんのモノレールに乗り、学校の近くまで行く。
  3. そこから走って学校へ向かい、‪果南達4人と合流し説明会を9人で歌う

というもの。

この2つのプランの違いは、予選会場から学校へ向かう途中、アクシデントなどで間に合わなかった時に説明会のライブができるかどうかという点です。

最初のプランは、全て上手くいけば両方の会場で最高のパフォーマンスができる。しかし、一つでも上手くいかなければ説明会でパフォーマンスすることができない。逆に、実際に取ったプランは全て上手くいっても予選では最高のパフォーマンスはできないが、確実にライブ自体は行える。

 

千歌は失敗が許されないあの状況で間に合うかどうか不安で、保険をかけたのだと思います。

 

この『保険をかける』という行為から、千歌は

  • 最悪の状況を考える『責任感』を持っていたこと
  • プランを皆に言い出す『自信』を持てていないこと

が分かります。

 

自信が無くリーダーとして不完全な千歌は保険をかけるという間違った選択をしますが、Aqoursは最終的に最高の結果を掴み取っています。

何故千歌は間違った選択をしたのに、結果的には上手くいったのか。

その答えは果南と‪鞠莉にあります。

自信のなさを埋めるもの

#3の展開から、千歌が本当にやりたかったプランを取ることができれば全て上手くいくことが分かります。しかし、そのプランを言い出す『自信』が千歌にはありません。千歌に足りないものがある時、Aqoursは足りないものを補い合い、千歌を支えてきたはずです。

私は、千歌の『自信の無さ』を補ったのは果南と‪鞠莉‬の『決断性』だと考えました。

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勘違いしないように!

やっぱり、私たちはひとつじゃなきゃね!

2年生以外はみかんのモノレールの存在を知りませんでした。その為、果南と鞠莉が『説明会に間に合う自信』を持つことはありません。

9人で歌いたかったけれど『絶対に間に合う』という自信がなく、5人4人に分けた千歌の踏み出せなかった一歩分の距離。

その空白を、果南と‪鞠莉‬が学校で待機という指示を守らない決断をすることで埋めたのではないでしょうか。

(果南達が駆けつけた時に流れていた「素直になれなくて」は、千歌が心からやりたかったことを選べない素直になれなかった気持ちも表現しているのかな?なんてこじつけて考えていたりします)

千歌の2つのプランの違いは、予備予選の人数が5人9人かという違いだけ。

‪果南と‪鞠莉‬が千歌の『自信の無さ』という壁を飛び越えたことで、結果的に千歌が本当にやりたかったプランと同じ状況になるのです。

その状況ができてしまえば、後は進むだけ。

そうして彼女たちは雨の中走り抜け、大きな『‪虹』と出会います。

『‪虹』と『自信の種』

私はこの『虹と出会えたこと』が千歌にとって大きなターニングポイントになったと思っています。

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私思うんだ。

奇跡を最初から起こそうなんて人、居ないと思う。

ただ一生懸命、夢中になって何かをしようとしている。

何とかしたい、何かを変えたい。

それだけのことかもしれない!

Aqoursは抽選で1番を引くという奇跡を起こすことは出来ませんでした。

千歌は自信をもって意見を言えませんでした。

リーダーとして間違った保険をかけました。

しかし、千歌を含めたAqours全員があの時自分に出来る最善を一生懸命に追いかけた結果、あの日、あの場所に架かった『‪‪虹』と出会うことが出来て、最後には説明会に間に合うことが出来たんです。

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だから、起こせるよ奇跡!

私たちにも!

だって、虹がかかったもん!

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だからこその「起こせるよ奇跡!私たちにも!」なんだと思うんです。

奇跡を起こそうと動くのではなく、自分たちが心からやりたいことに全力を出し切ることができれば、それが奇跡に繋がるという事を千歌は知ったんです。

「だから、私たちは心からやりたいことをやろう。それが奇跡に繋がるんだ。」

千歌はこのように言っているんです。

 

自信が無く、心からやりたいことを言い出せなかった千歌は『‪虹』にたどり着く道を皆に示すことはできません。しかし、もし『自信』を持って自分からやりたいことをみんなに言うことが出来ていたら、千歌一人の力でも虹に辿り着く道を示すことができたんです。(あくまで道を示すだけであって、辿り着く為には皆の力が必要です)

この#3「虹」を通して千歌にとって一番重要だったのは、千歌が『自信』を持った先にこんな景色があるんだと知れたことだと思います。

千歌は現状の自分から『ひとつ先の景色』を知れたことで、『自信』へと繋がる『種』を手に入れました。

その種とは

『もし次に心からやりたいことができた時は、自信を持ってやりたいと言おう』

という、不安に対して前向きに向き合う『勇気』。

この勇気が、♯6で『自信』として芽吹くこととなるのです。

余談.よしまるをすこれ。

そして、少しだけ本題とはズレてしまいますが千歌推しのエモポイントをひとつ。

この一連の奇跡にまつわる全ての発端は、善子の24番の抽選くじです。

もし善子が24以外のくじを引いていたら、きっとあの虹を見ることはできていませんでした。

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普段は運を貯めてるのよ!!!

善子が不運を被り、辛い思いや痛い思いをしながら貯めてきたはずの『善子の為の幸運』をAqoursのために使うと言える優しさ。

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そして、あの場で誰も善子の事を信用しなかった中でただ一人、善子を信じてアシストした花丸の優しさ。

あの奇跡のはじまりは善子と花丸なんです。

千歌が手を差し伸べた花丸、千歌が優しく肯定した善子が、千歌の成長を促す‪虹の発端になっているかもしれないという事実が、私はただただ嬉しかったです。 

#6『Aqours WAVE』から分かること

#8「HAKODATE」を見た後で改めて#6「Aqours WAVE」を見返した時に、色々と再考の余地がありました。

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一度ミスをすると、立ち直すのは本当に難しい。

一歩間違えたら、私達もってこと?

#8のSaint Snowから分かるのは、一度のミス=ラブライブ敗退という事実です。

その事を意識した上で#6を見ていきます。

 

千歌は自分たちだけの輝きをカタチにする方法を探していました。そんな時に鞠莉‬、ダイヤがやろうと言い出したのは、果南が「センターの負担が大きい」と言うほどの振り付け。

ミスをすればラブライブで負けてしまう。失敗すれば廃校阻止を達成する前に、輝きを見つける前に、道が閉ざされてしまう。でもやりたい。

千歌が完璧にできれば最高の結果が待っている。しかし、本番で完璧を持ってこれるかは確実ではない。

この状況は#3とほぼ同じなんです。

しかし、『ほぼ』と言った通り確かな違いもあります。

その#3との違いとは、千歌が挑戦する『勇気』を持っていたことです。

千歌の成長

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これはセンターを務める人の負担が大きいの。あの時は私だったけど、千歌にそれが出来るの?

大丈夫。やるよ、私。

できるかどうか確信はなかったはずの千歌ですが、ダイヤの提案を聞くなり皆の前で『やる!』と言います。『できるかどうかじゃない、やりたいかどうか』という言葉に従っていると言われればたしかにその通りですが、この言葉は『足を止める問題が自分の中にある場合』で、行動を起こして失敗しても重大な責任を負う必要が無い時に適応されてきたはずです。だから千歌は1期で心のままに進むことができていたんです。

しかし、2期は違います。

千歌の失敗が浦の星女学院を終わらせてしまうかもしれない。Aqoursの未来を閉ざしてしまうかもしれない。責任が千歌にのしかかります。この責任感と向き合えるだけの『何か』が千歌には必要だったんです。

#3までの千歌には『自信』も『勇気』もなかった。

だから言えなかった。

しかし、#6の千歌には責任感と向き合えるだけの『勇気』がある。

だから千歌はできるとは言えないまでも、やる!と言えるのです。

 

たくさんの『信じる気持ち』のカタチ

自信とは『自分』を『信じること』です。

何かを頑張り続けてきた時間。自分にしかない特技や個性。やり遂げてきた実績。何でもいいんです。これだけは信じられるというものがあれば自信を持つことができる。しかし、千歌は何もないと思っています。正確には自分だけの力では何も成し遂げていないと思っているのです。

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2期♯7までのAqoursは、廃校を巡る問題の渦中です。彼女たちは廃校阻止という結果を追い求めざるを得ない。しかし、千歌はここで改めて目に見える『結果』だけではなく、自分だけの力で何かを成し遂げたいという過程』にもこだわるのです。

ここが重要なポイントなんだと思います。 

少し脱線しますが、高海千歌ってどんな子だと思いますか。

それこそ沢山答えがありますが、私は『他人の魅力によく気づく子』だと思います。

どんなに本人が『普通だ』、これは『捨てなければならない』と思っている個性だろうと関係ない。千歌の目には『特別』に見えるんです。だから千歌は皆を肯定するんです。

その考えの根底にあるのは『私こそが普通』という劣等感。

この劣等感は千歌を動かすアクセルにして、千歌を止めるブレーキにもなります。

千歌が心の奥底に隠しているブレーキと向き合うためには、その『普通という劣等感』を表に引きずり出し、浮き彫りにする必要がありました。

その役目は曜にはできません。梨子にもできません。

千歌に厳しい言葉を掛け、手を差し伸べないことができるのはAqoursの中では果南しかいません。

果南は1期♯9の過去の回想で、川に飛び込めない千歌に「今止めたら後悔するよ」という優しい『脅し』を与えます。♯6では「明日までに出来なければ諦めて」と『刻限』を与えます。

果南は千歌に『』を与えますが、直接千歌の手を引くことはしません。それこそが、果南なりの千歌を『信じる』気持ちの表れだと思います。

 

そうして果南の与えた『壁』にぶつかり、千歌は少しずつ自分の心のうちを外へ出していきます。

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なんでだろ、なんでできないんだろ。梨子ちゃんも、曜ちゃんも、みんなこんなに応援してくれているのに…。やだ、いやだよ!私、何もしてないのに!何もできてないのに!

今まで成し遂げてきた結果は皆と掴んできたもので、自分一人の力で何かを掴んできたわけではないという想いから何もしていないと思ってしまう。

皆が私を支えてくれて応援してくれているのに、私は皆の為に何かできているのか?という想いから何もできていないと思ってしまう。

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千歌ちゃん、今こうしてられるのは誰のお陰?

それは、学校の皆でしょ?

町の人たちに、曜ちゃん、梨子ちゃん、それに…

千歌が皆の力を借り、皆で何かを成し遂げる度に、千歌は自分ではなくへの信頼を積み重ねていく。

信じるに値する『自分』があるのに、『普通』の劣等感から目を逸らしていて。自分から遠ざけていて。

そんな状態では、当然自信なんて持てるはずがないのです。

 

そもそも『普通』はそんなに悪いことでしょうか。平均、人並み。掛け算で言えば『1』だと思うのです。掛けて大きくはできないけど、小さくもしないから『普通』じゃないですか。しかし、千歌は自分の『普通』を0だと考えている節があります。 

だから、梨子は千歌に言葉をかけます。

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今のAqoursができたのは誰のおかげ?

最初にやろうって言ったのは誰?

千歌ちゃんがいたから、私はスクールアイドルを始めた。

私もそう、皆だってそう。

他の誰でも、今のAqoursは作れなかった。

千歌ちゃんがいたから、今があるんだよ?

その事は忘れないで?

曜と梨子は教えたかったんです。

千歌の今までの時間は『0』じゃない。

千歌が信じられるものはちゃんと『有る』。

千歌の『何もしてないのに!』は違うんだよと。

自分の事を普通だと思っている人が、諦めずに挑み続ける。

それができるってすごいことよ?

凄い勇気が必要だと思う!

そんな千歌ちゃんだから、皆頑張ろうって思える!

Aqoursをやってみようって思えたんだよ?

恩返しなんて思わないで?

皆ワクワクしてるんだよ。

千歌ちゃんと一緒に、自分たちだけの輝きを見つけられるのを。

曜と梨子は伝えたかったんです。

千歌が『普通』だからこそ、千歌が振り絞る『勇気』は特別なんだ。

そんな千歌だから、私たちは一緒に頑張ろうと思えるんだ。

だから何もできてないなんて思わないで、『皆への恩返し』なんて思わないで、『自分の為』に飛んでよと。

 

そして一年生は千歌の成功を信じて自分たちの練習します。

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その練習でできたが、『千歌ならきっとできるから、私達は自分の最善を尽くしているよ』と千歌に伝えているんです。

 

だったり、言葉だったり、だったり。

『信じる気持ち』のカタチは様々です。

それでも、皆の想いはひとつなんです。

「千歌自身が信じられなかった『これまでの時間』を、『普通』を、私たちは信じているんだよ。だから『自分』を『信じて』よ。」

皆はこの想いに、気づいてほしかったんですよね。

 

壁を飛び越える助走

私、あの頃の気持ちと変わってないよ。

それにこれが、ラストチャンスですわ。

あの時のAqoursを完成させたい!

やりたかったね、あれ。

私達で。

果南が二年前に置いてきた『気持ち』と『フォーメーション』。1期♯13のMIRAI TICKETで『気持ち』は取り戻せました。あとは『フォーメーション』だけ。

しかし、果南は言います。

ダメ、ダメだよ。

届かないものに手を伸ばそうとして、そのせいで誰かを傷つけて。

それを千歌たちに押し付けるなんて。

3年生の本当にやりたかったことは果南のフォーメーションで踊る事。

しかしそれを達成するためには、

  • Aqoursが怪我を負うかもしれない練習をすること
  • 千歌たちに自分のやりたいことを押し付けること

をしなければならないと思い、果南は『優しさ』からストップをかけます。

しかし、千歌は♯6の最後で言いますが、

目指したいこと

その素直な気持ちの中に、輝きはきっとある!

大切なのは『素直な気持ち』なんです。

誰かの為に飛ぼうとして失敗続きだった千歌も、今のAqoursの為にやりたいことを我慢しようとした果南も、『素直になれない人』でした。

けれど、千歌は1.2年生のお陰で自分と向き合うことができて、自分の素直な気持ちに従う『自信』を持つことができました。

誰かの為だけに飛ぼうとする気持ちの助走では失敗しても、そこに『自分の為に』も飛びたいという素直な気持ちを加えることで、大技の助走はより勢いを増します。

すると、果南の悩みなんて全部飛び越えてしまうんです。

果南がやりたいことを我慢する『壁』を千歌が全部飛び越えたことで、果南もまた本当の『素直な気持ち』をさらけ出すことができるのです。

千歌が飛ぶことを選んでくれて、逃げずに挑戦し続けてくれて。だから私も心からやりたいことができるんだ。

だからこその

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ありがとう、千歌。

感謝の言葉なのではないでしょうか。

そしてこの言葉を言うのは千歌が踏み切る『前』。

このタイミングから、千歌が成功することを心から信じていることと、千歌が成功しようが失敗しようが、果南は『素直な気持ち』で千歌と向き合えることが分かります。 

できるかな?の答え

素直になれていなかった果南、そして自信がなかった千歌には言えなかった言葉がありました。

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でも、できることじゃない。

これはできないこと。

この時の果南には言えません。

『優しさ』で『素直なやりたい気持ち』を隠していたから。

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千歌にそれができるの?!

大丈夫。やるよ、私。

この時の千歌にも言えません。

千歌にあったのは『自信』ではなく『勇気』だったから。

それでも、自分を信じることができた千歌なら、そして千歌を『優しさの壁』以上に信頼することができた果南なら、大きい声で叫べるんです。

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できるかな?

できる!

この言葉を言えることこそ、千歌の『自信』の一番の証拠ではないでしょうか。

 

#12『光の海』から分かること

個人的に、千歌が抱えていた悩みは二つあったと思います。

ひとつは『誰のためのラブライブか』、もうひとつは『ラブライブ決勝後の自分』。

ひとつひとつ見ていきたいと思います。

一つ目の悩み:誰のためのラブライブ

千歌たちはラブライブ決勝前に神田明神でお参りをします。

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ラブライブで…優勝できますように。

ラブライブは去年で7236校がエントリーするほどの規模です。ということは7236通りの夢があって、かけがえのない時間があって、7235の敗北があったということ。

純粋な勝負の世界に、千歌たちが『学校の名前を残す』為の手段としてラブライブ優勝を掲げるのであれば、他校の『本気の夢』と向き合う必要がある。

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私はそう思っていました。

しかし、千歌たちは自分たちのことで手一杯。

今こうしてラブライブ決勝に来れているのは、浦の星の皆の『願い』が『廃校阻止』という重りを吹き飛ばして、新しい目標をくれたから。#7で進めなかった千歌に新しい地図をくれたから。

皆のため、学校のために優勝して学校の名前を残すことが私たちに課せられた使命なんだ。私たちにしか出来ないことなんだ。

千歌は知らず知らずのうちに自分たちの気持ちではなく浦の星女学院の皆の気持ちを優先させてしまう。

また囚われてしまうのです。

しかし、浦の星女学院の絵馬には『Aqoursが優勝しますように』という願いばかり。

願いの主が『学校の名前を残す』なら、「浦の星女学院が永遠になりますように」とか、「名前を残せますように」という本心が書かれていてもいいと思うんです。

それでも、浦の星女学院はあくまで『Aqoursの優勝』を願っている。

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元々#7を見た時点で少し違和感を感じましたが、#12のこのシーンを見て違和感の理由が分かりました。

その理由は、#7の浦女の皆の言葉が他力本願すぎるところ。

千歌たちだけじゃない私たちの為に!

学校の為に!

学校の名前を残してほしい!

千歌たちしかいないの!

千歌たちにしか、できないの!

しかし、閉校祭の企画立案やAqoursを会場で応援する姿などから、浦女の皆が他力本願でないことは分かります。

この矛盾に、違和感を感じていたんです。

確証もなければ説得力もないのですが、浦の星女学院の皆は諦めかけていたAqoursを見て『今のままは絶対にダメだ』、『なんとかしてAqoursに走り出してほしい』とをついたのではないでしょうか。

優しい嘘

完璧なリーダーではない千歌が、存在自体がふわふわしている『輝き』を追い求めている最中もAqoursをまとめることが出来たのは何故か。

それは『μ'sのように廃校を救う』という明確な目標があったから。

μ'sとの違いを探し、自分たちだけの道を歩こうと決めたAqoursが出した答えは『0を1にしたい』という気持ち。これは廃校阻止へと続く第一歩。μ'sの背中を追うのをやめて、自分たちが今1番やりたいことを見つめ直して出した答えはやはり変わらず『廃校阻止』でした。

μ'sのように目指していたのは、輝いた人の跡を辿れば『輝き』にたどり着くという『見様見真似』からです。しかし1期♯6の最後で、千歌は心から『廃校を阻止したい』という気持ちに気づきます。♯11の浜辺で『心からやりたいことこそが輝き』だと気づきます。

千歌にとっての『輝き』は1期から2期♯6まで、ずっと廃校阻止なんです。

しかし、#7でタイムリミットが来てしまい、その目標は変えられない過去になってしまう。曜や果南が『廃校阻止の為じゃなく、輝きを探すためにスクールアイドルを始めたんだものね』と言っても方向転換出来ないほど。

ラブライブなんてどうでもいい、学校を救いたい』。この言葉を言えてしまえるほど、千歌にとっては大切な目標だったんです。

そんな状態の千歌に「ラブライブに出て優勝して」と言っても、きっと伝わらない。

だから浦の星女学院の皆は「学校の為に、私達の為に」を強調していたのではないでしょうか。

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本当はただ『心のままにラブライブに出場して輝いてほしい』だけだけれど、千歌が廃校阻止の呪縛から解かれることを願って、小さな嘘を混ぜたのではないでしょうか。

ラブライブで優勝してほしい!

千歌たちだけじゃない私たちの為に、学校の為に!

本心をAqoursに伝えるために、届けるために。

だから、だから、だから!

輝いて!!!

…まぁ妄想も甚だしいですが、千歌はそのお陰で前を向き、笑顔を見せ、また勢いよく走り出します。

これが、この時の最善。

超えられない壁はなくても、変えられない過去はある。

その過去に囚われて進めなくなるくらいなら、ちょっと嘘を吐いて視点を変えさせよう。

浦女の皆の『優しさ』が、千歌に絡みついていた廃校阻止の呪縛を解いた瞬間だと思います。

私なりの矛盾の違和感に、私なりの妄想で理由をつけてみました。

想いはひとつ

しかし、呪縛を解いた優しい嘘は、だんだんと千歌を縛る新たな呪縛へと変化していきます。『皆の願い』は『期待』となり、最後には千歌の素直な気持ちを挟む余地のないほどの『使命』へと変わってしまうのです。

その状態に異を唱えてくれたのは、Aqoursと同じ場所を目指し、函館では同じ舞台へ立った鹿角聖良

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勝ちたいですか?

誰の為の、ラブライブですか?

#10で浦の星女学院の事情を知り、浦女の生徒皆を『最高の仲間』と言ってくれる聖良だからこそ言える、重要な問いです。

その問いに千歌は答えることができません。

答えることができないということは、千歌に『学校の名前を残す』と同じくらいの『何か』理由があるということ。

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その理由は『負けず嫌い』からも分かる通り、単純な勝利への欲なんだと思います。

しかし、皆のお陰で道しるべを見つけて立ち上がることができたのに、今更自分の欲のために勝ちたいなんて言えない。

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全身全霊、自分たちの心に従って!

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だから行くよ!迷わず心が輝く方へ!

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素直な気持ちの先に、輝きはきっとある!

ずっと自分が叫んで実践してきたことを、この時の千歌はできなくなってしまう。

できることが増え、沢山のものを背負ったからこそ、またできないものが増えてしまうのです。

千歌ってとっても不器用な子だと思うんです。

コレ!って決めたら投げ出せなくなる子で、そこに諦めの悪さも乗っかって、雁字搦めで身動きが取れなくなる子。

そんな千歌が『決断性』を発揮させるには『責任感』が強すぎて。

自分のはじまりの気持ちに『自信』を持つには遠いところへ進み過ぎて。

だから原点に立ち返る必要があるんです。

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千歌の「勝ちたい?」という質問に、皆は「勝ちたい!」と答えます。

もう一言ずつ添えて。

それが今、一番楽しいずら!

今は大好きな皆と一緒に歌えることが一番うれしい!

世界中のリトルデーモンたちに私の力を知らしめるためによ!

今をもっともっと楽しみたいから!

9人でこんなことできるなんて、なかなかないよ!

それと、Aqours黒澤ダイヤとして、誠心誠意歌いたい。

やっと一緒に出来たことだもん。

この道で良かったんだって証明したい!

やりたいことが前から変わらない人。

今の仲間たちとここまでやってこれたからこそ、新しくやりたいことが出来た人。

皆のやりたいことは様々です。

しかし、Aqoursの想いはひとつ。

『皆のためは勿論だけど、私たちは自分のために勝ちたいんだよ。それが何にも囚われない本当にやりたいことなんだよ。』
そう千歌に伝えているのです。

二つ目の問題:ラブライブ決勝後の自分

千歌の記憶に残っている『普通の日々』は、沢山の挑戦と挫折を繰り返し、傷つき、最後には挑戦もしなくなった時間です。

そんな千歌を変えてくれたのは『スクールアイドル』という有効期限付きの魔法。

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外は普通なのに、学校の中は皆の夢で

明日に向いてワクワクしてて。

時が過ぎるのも忘れていて。

好きだな、そういうの。

ずっとこのままだったらいいのにね。

明日も、明後日もずーっと!

そしたら!そしたら…

ずっと輝けるのに、でしょうか。

千歌は『スクールアイドル』をやっている間は『普通』の自分でも変われることを知りました。けれど、皆が信じてくれた『普通』はスクールアイドルになってからのもの。ラブライブが終わり、夢が終わったその後はどうなるのか?

また何も無い『普通』に戻るのか?

千歌は時が過ぎるのも忘れるほど楽しい時間だったからこそ、必ずやってくる『終わり』が不安だったのではないでしょうか。

そんな千歌に曜がかけた言葉は

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このまま、皆でお婆ちゃんになるまでやろっか!

という絶対に叶わない提案です。

曜は優しく「それはとても楽しいだろうし、私も心からやりたいけれど、絶対に叶わない願いなんだよ」と伝えているのだと思います。

千歌は笑顔でその言葉を受け入れ、進むべき今と向き合いました。

しかし、まだ気がかりがあったんです。

やれることを全部やり切り、それら全てを糧にしてラブライブへ羽ばたいて。

その結果、自分は輝きを掴めるだろうか。

輝きを掴めたらそれで私の物語は終わってしまうのではないか。

輝きを掴めなかったら今までの時間全てが無くなってしまうのではないか。

今までの時間が大切だったからこそ、未来に進むのが怖かったんだと思うのです。

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だからいいんだよ?

いつもの千歌ちゃんで。

未来のことに臆病にならなくて、いいんだよ。

そんな千歌に、曜は「いつもの千歌ちゃんでいい」と言います。

昔の『普通』に苦しんできた時間も、今の『輝き』を追いかけてきた時間も見てきた曜だからこそ、その言葉は千歌に届くのではないでしょうか。

スクールアイドルを通して千歌が手に入れたものはなんでしょうか。

『勇気』か、それとも『自信』や『責任感』でしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は『仲間』だと思うのです。

 

千歌がスクールアイドルを通して手に入れてきたもの、それらは全てあの9人でなければ掴めなかったもの。

そしてなにより、痛みや喜び、悲しみを分かち合ってきたがあるんです。

それはスクールアイドルが終わってもなくなることはありません。

だから曜は笑顔で言うのです。

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一人じゃないよ!

千歌ちゃんは!

その言葉を受けて、千歌は言います。

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0を1にして、一歩一歩進んできて、そのままでいいんだよね?

普通で!怪獣で!今があるんだよね!

一歩一歩進んで、そのままでいいんです。

普通で、怪獣で。

無理に変えることなく、自分のペースで進んでいけばいいんです。

 それが今を作っているのだから。

曜の想いを受け取った千歌は、未来への憶病さを乗り越えます。

皆の答えを受け取った千歌は、聖良の問いに答えを出します。

浦の星の皆の為、そして自分の為に叫ぶんです。

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私も全力で勝ちたい!

勝って、輝きを見つけて見せる! 

仲間と歩んだ千歌だからこそ、この決断性を見せることができたんだと思います。

 

Aqoursというグループ

千歌は沢山の出来事を経て、責任感、自信、決断性を手に入れました。

確かに一人ではできない事も多いです。

不完全ですし、未熟ですし。

けれど、だからこそ。

私は千歌ほどAqoursのリーダーとしてふさわしい子はいないと思います。

千歌は『足りない子』なんですよね。

だから『求める』。

その意思が前に進む原動力となる。

超えられない壁にぶつかる。

だから『皆が支える』。

千歌の足りない部分を補い、千歌も誰かの足りない部分を補う。

そうして千歌を中心に皆が繋がり、一つの輪ができる。

それがAqoursなんです。

それなら、最初に言っていた『私は"一応"リーダーの高海千歌!』の一応を否定できるのかという話になってきます。

できる!と言いたいのですが、私にはやっぱりできませんでした。

WATER BLUE NEW WORLD

その理由は『WATER BLUE NEW WORLD』にあります。

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ミライへ向かおう!

私には、この並びが『渡り鳥』の群れの様に見えてしまいます。

この先頭は群れの方向を決めるリーダーの様に見えますが、先頭は頻繁に並びを変えるそうです。

私は、Aqoursもその通りだなと思うんです。

千歌はラブライブへ向かうリーダーとしてAqoursを導きます。

鞠莉は廃校阻止のリーダーとして理事長の仕事を一手に引き受け、皆を導きます。

ダイヤは浦の星女学院の生徒会長として学院の生徒を導きます。

函館ではルビィがSaint Aqours Snowを導きます。

Aqoursは千歌以外にも先頭で進む方向を決める力を持っていて、沢山のリーダー(やリーダー候補)がいるんです。

だから、私は千歌の"一応"を否定することはできません。

でも、それでもいいかなと思うんです。

千歌にリーダーの資格が無いのではなく、他にも沢山リーダーになれる仲間がいる。

だからこその『一応』なのかな、なんて考えれば。

私は"一応"リーダーの高海千歌

この"一応"はネガティブな意味合いではなく、『私の仲間もすごいんだぞ!』というポジティブな意味合いに聞こえてきませんか。

それはすごく千歌ちゃん『らしく』ないですか。

私の幻聴だったら笑ってください。

結局14000字も書いて、考えた前と後で何にも変わりませんでした。

ちょっとオタクのこじらせが緩和しただけでしたね。

そんなわけで、千歌ちゃんと『リーダー』の話はこれにて終わり。

ここまでの長文を読んでいただき、本当にありがとうございました。

 

※この記事に引用されたすべての画像の著作権は、「サンライズ / 2017プロジェクトラブライブ!サンシャイン!!」が保持しています。

高海千歌のこれまでの軌跡【千歌ちゃんについて語ってみた①】

今回は千歌ちゃんについて思っていたこと、考えていたことを1期をメインに書いていきます。 

全部千歌推しオタクの妄想ですのでご注意ください。

1."何も無い"高海千歌が持っていたもの

キーワードは等身大。

とうしん-だい【等身大】の意味

①人の身長と同じ大きさであること。
②誇張も虚飾もない、ありのままの姿。
③持っている力に見合うこと。
((デジタル大辞泉(小学館)))

例えば渡辺曜

飛び込みのスター選手で皆に人気者の渡辺曜の素顔が、親友と何か一緒にやりたいと悩む女の子だった。

可愛いですね。

例えば黒澤ダイヤ

地元名家のお嬢様でしっかり者であろうとする黒澤ダイヤの素顔が、本当は「さん呼び」から「ちゃん呼び」されたいと悩む女の子だった。

こちらも可愛いです。

曜の『飛び込み』やダイヤの『しっかり者』という個性は、誇張でも虚飾でもなく、努力が実を結んだ事実としてある。

そんな『普通より秀でた部分』がある人たちが年相応の悩みを晒す。

ありのままの姿を晒す。

すると、等身大を晒すという行為は、その人の魅力を増す効果としてはたらきます。

いわゆる『ギャップ萌え』です。

では高海千歌はどうでしょうか。

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貴女みたいにずっとピアノを頑張ってきたとか、大好きなことに夢中でのめり込んできたとか、将来こんなふうになりたいって夢があるとか。

…そんなのひとつもなくて。

私ね、普通なの。

千歌には"ひとつもない"。

"私は普通"。

夢も目標も、のめり込めるものも無かった千歌のありのままの姿は、決して他人に見せたいものではなかったはずです。

ましてや長い時間をかけてピアノと向き合い続けてきた梨子に何もない等身大の自分をさらけ出すなんて。

でも千歌は笑顔で言える。

それはきっと、μ'sのSTART:DASH!!に出会えたから。

自分にも夢中になれるものがあると知ることができたから。

自分が本気になれるものを見つけることができたから。

出会えただけで、誰かに笑顔で伝えたくなるくらい嬉しかったから。

それくらい千歌は何かを本気でやりたかった事が分かります。

 

千歌自身が何も無いと思っていた過去の燻っていた時間。

それは輝きを求める原動力という確かな前進の力として、彼女の中にあったんだと思います。

 

2.高海千歌の『本気』と渡辺曜

曜について、少し疑問がありました。

曜は千歌の勧誘の姿も、ビラを作ってくる熱意も間近で見ていて、それでも「入る」とすぐには言わない。ましてやダイヤがスクールアイドルを嫌いらしいという情報を知っていながら千歌に教えない。

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嫌い…みたい。

曜ちゃん知ってたの?!先に言ってよ~…。

千歌ちゃん夢中だったから、言い出しにくくて…。

普段の優しい曜なら、千歌が困難にぶつかる前にダイヤの情報を教え、一緒に対策を練ろう!と言うと思います。

千歌と一緒にやりたい強い気持ちがあるのに、何故千歌を試すようなことをしたのか。

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それはきっと、何かを始めては辞めていく千歌をずっと見てきた幼馴染だから。

そして、小学校の時からずっと募らせてきた『千歌となにか一緒にやりたい』という本当に大切な想いを持っていたから。

だから曜は、千歌の言う『スクールアイドル』が『本気でやりたいこと』なのか確認する必要があったのだと思います。

では曜が思う『千歌の本気の証明』とはなんなのか。

答えは2人の過去にあるのではないでしょうか。

 

中学時代、千歌は曜の誘いを断っています。

 

千歌の母の言葉から分かることは、千歌は『何かにチャレンジして、壁にぶつかって、人の目を気にして辞めた』ということ。

志満さんの言葉から分かることは、千歌は『飽きっぽい』と思われるほど『色々なものに挑戦し、やめてきた』ということ。

 

千歌の諦めたフリの原因となった『人の目』。

それは他の人との比較の目線だと思うのです。

小さい頃から何かに挑戦して壁にぶつかる度に、千歌は『出来ない自分』と『出来る誰か』の比較の目線に臆病になっていったのではないでしょうか。

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そのピークが中学時代。

もし曜の誘いを受けたら、なんでも高水準でこなす水泳のスター選手である曜といつも一緒にいることになる。千歌はずっと比較の目に晒されることになる。

だから千歌は曜の誘いに乗らず、チャレンジすることもなく諦めてしまったのではないでしょうか。

幼少期、千歌は出来ないことに挑戦する気持ちを持っていました。

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しかし、中学では挑戦もしなくなる。

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そんな千歌が、自分から『やりたいこと』を見つけた。チャレンジする気持ちを見せた。

しかし、これでようやく幼少期と並んだんです。曜はこんな展開の後、壁にぶつかり諦めていく千歌を何度も見てきている。

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だから手伝いはするけれど、まだ『入部する』とは言えない。

曜が待っていた千歌の『本気の証明』、それは

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もう一度

うん!ダイヤさんのところに行って、もう一回お願いしてみる。

諦めちゃダメなんだよ!

あの人たちも歌ってた!その日は絶対くるって。

本気なんだね。

「もう一度」という言葉だったのではないでしょうか。

上手くいかない事に立ち向かわず諦めてきた千歌をずっと見てきた幼馴染にとって、壁にぶつかった後の「もう一回!」という言葉は、とても大切なものだったのではないかと思うのです。

 

千歌はμ'sのSTART:DASH!!で踏み出せなかった一歩を踏み出します。

けれど、それは曜の時間が動き出す合図でもあったのではないでしょうか。

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この表情は、昔からずっと待っていた言葉を聞けた嬉しさ、そして長年想い続けてきた願いが動き出す予感からのものだとしたら、本当に素敵だなと思います。

 

3.高海千歌と『諦めの矛盾』

千歌に対する『幼馴染』と『家族』の評価が矛盾している点が、ずっと気になっていました。

昔の千歌は上手くいかないことがあると、人の目を気にして、本当は悔しいのに誤魔化して諦めたフリをしてた。

あの子、飽きっぽいところがあるでしょ?

千歌の母と志満さんの言葉から、千歌の気持ちはどうであれ、千歌は上手くいかないことがある度に諦めてきた事が分かります。

しかし、幼馴染の評価は逆でした。

諦めが悪いからね、千歌は昔から。

中途半端が嫌いなんですよ。
やる時はちゃんとやらないと、気が済まないっていうか!

何かに挑戦しては諦めていく千歌を、幼馴染の曜と果南が「諦めが悪い、中途半端が嫌い」だと評価している理由について考えてみます。

曜の発言について

飽きっぽいんじゃなくて、中途半端が嫌いなんですよ。やる時はちゃんとやらないと、気が済まないっていうか!

曜については言葉の通り『何かに挑戦しては諦めていく』千歌の姿が、曜の目には『心から本気でやりたいもの』を探す姿に見えていたのではないでしょうか。

だから曜は『千歌の本気』を重要視するんだと思います。

果南の発言について

実は一番気になっていたのが果南の発言でした。

諦めが悪いからね。

千歌は昔から。

曜の場合は『諦めてきた姿』が『探し続ける姿』に見えたものだと考えました。千歌が諦めてきたという事実は有るが『受け取り方』が違うのではないか、というものです。

しかし、果南については『諦めてきたこと』そのものが否定されています

果南の発言のこの部分に注目して考えてみました。

1つ目のポイントは、曜と果南の千歌と接してきた時間軸のズレだと思います。

果南と曜は、千歌と関わってきた時間に差があるのではないでしょうか。

幼少期、具体的に言うと『‪鞠莉‬がクラスに転入してくるまで』は、果南は千歌たちと遊んでいたけれど、‪鞠莉‬の転入以降はダイヤ、‪鞠莉‬との時間が次第に増えて行ったと考えると自然だと思います。

千歌や曜は、果南がスクールアイドルを始めた事さえ知らなかったので、関係は切れていないにしろ、過ごしてきた時間にいくらかの空白があったのではないでしょうか。

 

2つ目のポイントは、その時間軸で果南が見てきた千歌の姿です。

果南が見てきた『昔』の千歌。

アニメで果南と千歌の幼少期が描かれたのは1期#9「未熟DREAMER」。千歌が川に飛び込むのを果南が下から見上げているシーンです。

 

曜の見ている景色が見たかったのか、飛び込みで輝いている曜の真似をしてみたかったのか。

千歌が飛び込みたかった理由ははっきりとはわかりませんでした(すいません…)が、状況から見るに、千歌1人では飛び込むのが怖くて果南に手伝いをお願いしたのではないでしょうか。

そんな果南ですが、直接手を貸すことはせず、千歌を励ますだけ。

しかし、千歌は勇気を持ちさえすれば飛び込むことが出来た。

その光景を、果南は自分の目で見ています。

 

『昔』の果南が見てきたのは、『やりたいと思ったこと』を勇気を持てば『やり切れる』千歌の姿。

そして、高校生になって自分の前に現れた『今』の千歌は『スクールアイドル』という『やりたいこと』に向かって全力な姿。スクールアイドルの輪に入ってからは、沢山の困難に立ち向かう姿。

果南は、自分の目で見てきた『昔』と『今』の千歌の姿から、諦めが悪いと評価したんだと思います。

3.のまとめ

長ったらしく書きましたが、曜や果南の考えが千歌の母と比べて間違ってるだとかそういうことではなく、全部が千歌を構成する大切な要素なんだと思うのです。

本当は悔しいのに諦めたフリをする弱さがあったから、千歌は諦めの先に何もないことを知りました。

その事を知っている千歌だから、花丸に手を伸ばすことができます。善子が堕天使を捨てることを否定することができます。

『昔』出来なかった時間があったから、『今』出来ることがあるのです。

千歌の燻っていた過去は何も無くなんて無い。

千歌が苦しんだ分、今の誰かの笑顔に繋がっている。

多分千歌ちゃん本人はその事を分かっていないだろうけど、きっと千歌ちゃんはそういう子です。

だから僕は、そんな千歌ちゃんを応援したいんです。

 

4.高海千歌と『悔しさ』

僕が見てきたラブライブ!サンシャイン!!、それは高海千歌が高校2年として1年間を駆け抜ける物語。その中では沢山の出来事があって、笑ったり泣いたりする千歌がいました。

しかし千歌にとって、そして娘を見てきた千歌の母親にとっては16年の時間が積み重なった物語です。

昔の千歌は上手くいかない事があると人の目を気にして、本当は悔しいのに誤魔化して、諦めたフリをしてた。

ここでひとつ疑問に思ったのが、やりたいと言って挑戦して、すぐ辞めていくことを千歌の母親はどう思っていたのか、ということです。

何かを始め、そして辞めて。

また始めて、また辞めて。

新しいことに挑戦する時は道具代などのお金もかかると思うのですが、千歌がやりたいと言う度に千歌の母親はチャンスをあげてきました。

親心と言ってしまえばそれまでなのですが、千歌の母親は何か意図があって、文句もアドバイスも言わずチャンスだけを作ってあげたんだと思うのです。

千歌の成長について僕は『諦めたフリ』に注目していました。

2期は千歌の『諦めの悪さ』が鍵となる展開が多かった為、『諦めてきた過去』から『諦めの悪い自分』に変わることが千歌の成長だと、そう思っていました。

しかし、16年間を見てきた千歌の母親が本当に待っていたもの、望んでいたもの。

それは千歌が『悔しさを誤魔化さないこと』だったのではないでしょうか。

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やめる?

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今までの千歌なら辞めてきた。壁にぶつかる度に悔しさを誤魔化して逃げてきた。それを千歌の母親はずっと見てきました。

だから娘の決断を真剣な表情で待ちます。

悔しい…

悔しいんだよ。

私、やっぱり悔しいんだよ!!

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しかし、悔しさを誤魔化して諦めてきた千歌はもうそこにはいませんでした。

しばらく見ない間に千歌が『変わった』ことを母親は知ります。

その時、私たちに目標ができました。

目の前の0を1にしよう!

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そう、心に決めて。

居場所を作り、仲間を作り、出来ないことは助け合うことで、千歌は『変わる』ことができた。

1期#8「悔しくないの?」で千歌が悔しさを誤魔化したのは、周りの目からではなくリーダーだからです。f:id:tsktktk:20180414172337p:image

私が泣いたら、みんな落ち込むでしょ?

今まで頑張ってきたのに、せっかくスクールアイドルやってくれたのに、悲しくなっちゃうでしょ?

今までの『自分が傷つかないように』ではなく、『皆のために』。

ここにも確かな成長を感じますが、不慣れながらもリーダーとして1人で全て背負い、そして向き合いきれなくて悔しさを誤魔化したのかなと思います。

そんな千歌に、梨子は言います。

皆千歌ちゃんの為にスクールアイドルやってるんじゃないの。自分の為。

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だから良いの。千歌ちゃんは感じたことを素直にぶつけて、声に出して?

みんなで一緒に歩こう。一緒に。

これは『皆』の悔しさで、千歌1人が背負うものではない。

1人で背負った大きすぎる悔しさは千歌の歩みを止めるものでした。

しかし、皆で背負い、共有した悔しさは決して『負の感情』ではなく、『立ち止まる壁』でもなく、『前に進むための力』になる。

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そのことに千歌は気づいたんです。

それを言葉で説明するのは簡単ですが、多分響かない。

千歌自身の力で気づくしかない。

だから千歌の母親は心配しながらも放っておいたのではないでしょうか。

 

この先、スクールアイドルを終わる日が来る。

新しい何かを始める日が来る。

『悔しさ』が『前進の力』になる事を知った千歌なら、恐れることなく、諦めることなく、新しい1歩を踏み出せる。

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母親が千歌に教えたかったもの。

あげたかったもの。

それは千歌が未来に臆病にならず、やりたいことに飛び込める『勇気』だったのではないでしょうか。

 

5.あとがき

とりあえずは1期を中心に、千歌と千歌の周りの人達について考えていることをまとめてみました。ちょっとでも楽しんでもらえたら嬉しいです。 

次以降の予定は

②2期を中心とした千歌のまとめ

③僕の好きな楽曲と千歌の関係

高海千歌のリーダーとしての才能について

です。

ちょっとした変更はあると思いますが、ゆっくりじっくり書いていきますので、更新は遅めになると思います。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

とっきー

ヴァイオレット・エヴァーガーデン第3話 感想

『言葉』とは口から出る『音』で、手で書く『文字』。

しかし、赤の他人にはただの音かもしれないその言葉で、救われる人がいます。ただの文字を読んで、涙する人がいます。

同じ言葉でも、人によって『価値』が異なるのです。

では、その『価値』を決定づけるものはなんでしょうか。

ヴァイオレットは文字を書く事ができる。喋れもする。しかし、その言葉は表面上の意味しかなぞることが出来ない淡白なもの。

そんな彼女が踏み込んだのは、建前の言葉で塗り潰された本当の意味を掬いあげることを求められる世界でした。

「言葉にできない感情」を知った1話。

「裏腹」を知った2話。

彼女は今回の第3話で何を知ったのか。

5つのトピックスで見ていきましょう。

  • 自動手記人形に必要なもの
  • 背を向ける少女
  • 言葉の価値と『自動手記人形』
  • 良き自動手記人形としての『一歩』
  • 目的の変化

自動手記人形に必要なもの

教官は最初の授業で、自動手記人形に必要なものを教えます。

それは以下の4つ。

  • 話す言葉を書き写せるだけのタイプ速度
  • 文法
  • 語彙
  • 多種多様な手紙の形式の理解

ヴァイオレットはこの4つの課題を満点でクリアしましたが、合格のブローチを貰うことはできません。

手紙とは、人の心を伝えるもの。

良き自動手記人形とは、人が話している言葉の中から、伝えたい本当の心をすくい上げるものです。

なぜなら4つの課題は、依頼人からすくい上げた心を正確に、美しく『表現するための道具』に過ぎないから。

自動手記人形にとって一番必要なものは『依頼人の本当の心をすくい上げること』だったからです。

ではなぜローダンセ教官は『心をすくい上げる方法』をヴァイオレットに教えないのか。

それはきっと、一概には言えないからではないでしょうか。

同じ依頼なんてひとつとしてない。

だからこそ、自動手記人形は依頼人一人ひとりに寄り添い、共感し、本当に伝えたい想いを想像する。

この『共感』と『想像』を、僕は『心』だと思うのです。

そして『心』とは誰かに一言で教わるものではなく、その人が過ごしてきた時間の中で形成されていくもの。

たくさんの経験が心を豊かにする材料となり、『想像』は正確さを増していくのでしょう。

では、武器として生きてきたヴァイオレットは人としての人生をどれだけ過ごしてきたでしょうか。

ギルベルト少佐の優しさに触れた時間は確かにある。

しかし、その時間は他の人と比べて圧倒的に少ないはず。

彼女の心は、まだ何色にも染まっていないキャンバスの『白』なのです。

彼女に出来ることは、聞いた言葉をその意味の通りに編集し書き写すだけ。

心を込めたくても、込められない。

あなたの代筆したものは、手紙とは呼べない。

だから教官はこのように言ったのでしょう。

背を向ける少女

第3話のキーパーソンとなるルクリア・モールバラ。

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彼女には、戦争で両親を守れなかった自分を責めて自暴自棄になってしまった兄、スペンサー・モールバラがいます。

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そんな2人には大好きな景色がありました。

それは鐘のある高台から見た街の夕陽。

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ルクリアにとって、あの夕陽は『この街で1番素敵な景色』で『子供の頃から大好きな景色』。

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言い換えると、兄から貰った大切な想い出です。

しかし、時が経ったスペンサーは『今』と向き合えない。ルクリアはそんな『兄』と向き合えない。

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だからルクリアは兄との想い出の象徴である『夕陽』と向き合うことができず、常に陽の光に背を向けるのです。

言葉の『価値』と自動手記人形

ルクリアはとても優しい女の子です。

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ねぇヴァイオレット。少佐って誰?

貴女、毎回手紙の最後に「少佐からの手紙はまだですか」ってつけてるじゃない。

本当に手紙を書きたい相手はその人じゃないの?

今日はその人に手紙を書いてみない?

いつもの報告書みたいなのじゃなくて。

貴女の素直な気持ちを込めた手紙を。

最後まで付き合うから。

大変なのは自分なのに、ヴァイオレットの為に行動を起こせるほど。

しかし、その優しさで兄を想うと、途端に向き合えなくなってしまう。

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心を伝えるって難しいね。

私、お兄ちゃんに何を言っていいか分からないの。

お父さんもお母さんも、遺品すら見つからなかった。私は、お兄ちゃんが生きていただけでも喜びたかった。

本当はただ、生きててくれるだけで嬉しいの。

ありがとうって、伝えたいだけなのに…。

その優しさが、本当に伝えたい数行の文章を言葉に出来ないほど重いものにしてしまう。

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ずっと…言えない。

ヴァイオレットには言えるその言葉が、スペンサーには言えない。

同じ言葉なのに『重み』が違うのです。

言葉を重くするのは、一緒に過ごしてきた確かな時間があるから。

そして伝えたい想いが大きすぎるから。

文字通りの意味しか持たないはずの言葉は、気持ちを、想いを込めることで、『重く、価値のあるもの』へと変化していくのです。

たった一言の言葉。たった数行の文章。

しかし大切に想いを込めた言葉は、何万字もの美しい言葉を重ねるよりも『伝わる』ものになる。

けれど、想いを込めすぎた言葉は、逆に口から出にくくなってしまうこともある。

だからこの世界には【自動手記人形】が必要なのです。

そしてその想いを汲み取れる人こそが、良き自動手記人形なのです。

良き自動手記人形としての『一歩』

兄への想いを吐露し、部屋を出ていくルクリア。

ヴァイオレットは授業の内容を思い出しました。

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良き自動手記人形とは、言葉の中から、伝えたい本当の心をすくい上げるもの。

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スペンサーは『今』と向き合えない。

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夕陽とも向き合えない。

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彼はいつも陰の中でした。

そんな彼を照らすのは、ルクリアの想い。

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心のない少女が、優しい少女の心を精一杯文字へと変換した、たった数行の手紙。

お兄ちゃん

生きてきてくれて、嬉しいの。

ありがとう。

ルクリア

第2話でヴァイオレットが代筆した手紙は、自分が『愛してるを知りたい』から、興味本位で書いたもの。

ローダンセ教官に厳しく指導された手紙は、あくまで『評価』を貰う為の『課題』として書いたもの。

しかし、今回の手紙はルクリアのことを想って書いたものです。

自分の為ではなく、ルクリアの為。

ルクリアの想いだけを込めた文章だから、ヴァイオレットが書いた手紙でスペンサーは涙するのです。

良き自動手記人形に必要な『共感』と『想像』。

今回の手紙の文章は、ヴァイオレットの『想像』ではなく、ルクリアが吐露した想いの中から、本当に伝えたいものを『選び』手紙としました。

しかし、手紙を書くための根底にある想いが『自分』ではなく『自分以外の誰かのため』に変わった瞬間が、ヴァイオレットが良き自動手記人形へと一歩近づいた瞬間になったんだと思いました。

ルクリアの想いを代筆した翌日。

ヴァイオレットはローダンセ教官に卒業の証を貰います。

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ブローチは『タイプ機のボタン』で『言の葉』をすくい上げるもの。

良き自動手記人形を表すデザインです。

3話の最初、ローダンセ教官は言っていました。

本校卒業の証は一流の証明。

しかし、私が良き自動手記人形と認めない限り、この証は決して与えられません。

しかし、教官は証を渡す時、ヴァイオレットへこの言葉を授けます。

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あなたが、良き自動手記人形になりますように。

教官は良き自動手記人形と認めた人にのみ証を与えると言っていましたが、証を渡す時の教官の言葉に疑問を感じていました。

認めた人にしか与えないのに、良き自動手記人形になりますようにってどういうこと?と。

しかし、言葉の意図を考えているうちに、答えではなく僕の妄想ですが、こうだったらいいなと思うものを見つけました。

教官の言葉に込められた本当の想いは、きっと『人の心をすくい上げるために、心の豊かな人になりなさい。』だと思うのです。

豊かな心を持つことこそが、良き自動手記人形の証。

心が分からない少女が沢山の人の心に触れ、少しずつ自分の心に色を足していく。

そうして深みのある心を持つことを、教官は願ったのではないでしょうか。

きっと「良き自動手記人形になりますように」の本当の意味は、「貴女が幸せになりますように」だと思いました。

目的の変化

ヴァイオレットが自動手記人形を志した理由は少佐の言った「愛してる」を知るため。

しかし今回はルクリアの為に代筆をしました。

証を貰えない時は「私は良き自動手記人形になれるのでしょうか」と悩んだりもしました。

彼女の目的は『愛してるを知ること』の他にもうひとつ、新たに『良き自動手記人形になること』が芽生えたのではないでしょうか。

新たな目標に向かい、彼女が悩みながらも歩んだことで、救われた兄妹がいます。

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過去に縛られ、陽の光と向き合えなかった兄妹は

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ヴァイオレットの手紙で前を向くことが出来ました。

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陽の光を正面から受け止めることが出来ました。

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張り付いたような偽りの笑顔をしていた彼女を

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心からの笑顔に変えることができました。

ギルベルト少佐が最期に振り絞った「愛してる」がヴァイオレットに生きる目的を生み、それを目指す過程で笑顔に変わった2人がいた。

その事が分かった時、僕は涙してしまいました。

沢山の人の優しさに支えられ、そして優しさで支えた今回のヴァイオレット・エヴァーガーデン第3話。

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本当に素敵な物語でした。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン第2話 感想

対比で見えてくるもの

何かに秀でた人を見て「いいな」「すごいな」と思ったり、「あの人と比べるとどうして自分は…」なんて思ってしまったり。他人を見て抱く感情は自分と比べてどうかという部分が大きく影響すると思うのです。

ヴァイオレットが理解できていない『感情』。

彼女は他人に興味が無い。だから理解できない。

では、ほかの登場人物たちはきちんと理解しているのか。恐らく答えは否でしょう。

きっと、自分の感情を完全に理解している人なんていないんです。

感情が分からないヴァイオレットの存在によって、感情に翻弄される人達がより浮き彫りになる今回のヴァイオレット・エヴァーガーデン第2話。

めちゃくちゃ面白かったですね。

今回は4つのトピックスです!

  • 自動手記人形は依頼人を映す鏡
  • 「向いてない」と彼女の『動機』
  • 言葉の力と『みちしるべ』
  • 本当の始まり

自動手記人形は依頼人を映す鏡

例えばカトレア・ボードレール

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彼女は美しい文章を書きます。依頼人の言葉を聞き、その奥に隠れた本心を掬い取る。その本心は、読む人を魅了する文字となって届けたい人へと渡ってゆく。

彼女は依頼人の本心を美しく映す鏡だから人々は彼女に依頼をするのでしょう。

 

例えばヴァイオレット・エヴァーガーデン

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彼女は、依頼人が本心を隠すために並べた上辺の言葉を映す

例え本心では交際したいと思っていても、依頼人が尻の軽い女だと思われたくなくて言った「彼が誠意を見せてくれて、本当に私の事を愛してるなら、エレガントな手紙をください」を「贈答品、及び資金を調達したうえ、再度の挑戦を要望します」と書いてしまう。

しかし、女性の言った言葉通りの文章を書くと、ヴァイオレットの代筆に間違いはない。隠している本心が、依頼人の表情が、『本当は気になっているの』と教えてくれることにヴァイオレットは気が付かないのです。

それにより関係が悪化した依頼人は、泣きながら言います。

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私、彼とお付き合いしたかったの…。

でも彼の想いをすぐに受け入れたら、簡単に手に入る女だと思われるじゃない!

もっと追いかけてほしいのが女ってもんでしょう?!

私だって、愛してたのよ!!

きっと、この言葉をヴァイオレットに伝えていたら、彼女はそのまま書いてしまうでしょう。しかし、この女性がここまで思ってくれていることを知った相手の男性は、きっと嬉しくなると思うのです。少し恥をかくかもしれないけれど、きっとうまくいっていたでしょう。

 

しかし人は本心を隠したがる生き物で、見栄を張りたくなる生き物。

ヴァイオレットが心を知らないからこそ浮き彫りになる、依頼人の弱い部分。

僕はそんな人間臭さ溢れる、泣いてしまった依頼人の女性も好きです。

 

失って泣いてしまうほど好意を寄せているその女性は色鮮やかで、何色にも染まっていない、染まることが出来ないヴァイオレット・エヴァーガーデン不完全さがより際立っていました。

 

「向いてない」と彼女の『動機』

今回の第2話のキーパーソンとなるエリカ。

彼女は「向いてない」に過剰反応する節がありました。

何もドールにすることないのに。

愛想もないし、気も利きそうにないし!

絶対向いてないですよねー!

その様子は自分ではなくヴァイオレットに向けられたものでさえ、体が反応してしまうほど。また、彼女の仕事ぶりからは確かに自信の無さが垣間見えます。

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このカットも自信の無さを暗喩しているのではないでしょうか。まるで、自分で作った檻の中に閉じこもっているかのように感じてしまいます。

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いくつかカットが変わっても、やはり出ることが出来ない

自信の無さから閉じこもったけれど、自ら出ることが出来なくなってしまったのではないでしょうか。

こんなにも雁字搦めになってしまうのは、『自信の無さ』と同じくらい大きな『自動手記人形を続けたい動機があるはず』だから。その動機は夢と言い換えてもいいと思います。

しかし、相反する2つの気持ちに翻弄されるエリカは自分の夢を忘れてしまっている。

だから踏み出せないのです。

言葉の力と『みちしるべ』

エリカの歩みを止めるほどの『向いてない』の言葉の力。

それはまるで呪いのようにエリカに絡みつきます。そしてエリカもまた、誰かの歩みを止めてしまう言葉を吐く『人間』なのです。(決してエリカを言及している訳ではなく、人間は誰しもそういった発言をしてしまう、ということです)

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質問、よろしいでしょうか?

私は自動手記人形に不適格でしょうか?

それは…私も…

あなたのことは聞いていません。

向いてないわ。

第一、あなたどうしてこの仕事がいいのよ。

僕が呪いの言葉だと思ったのは『向いてないわ』ではなく次の言葉です。

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『愛してる』を知りたいのです。

それだけ?

『それだけ?』

そんな理由で自動手記人形を選んだの?という含みを持っています。

何かをやりたい、続けたいと思う理由は、誰かにとやかく言われる筋合いは全くありません。

その人が歩んできた時間、考えてきた時間、決断した勇気。

その先にある夢や目標はその人だけのものなんです。

だからヴァイオレットは言います。

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それだけです。

たとえ向いていなくても。

私はこの仕事を続けたいのです。

他人に興味がない彼女だからこそ、ストレートな言葉を言います。自分がやりたいからやる。『それだけ』なのです。

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しかし、その言葉は純粋な前進の力として、エリカに絡みついていた檻を吹き飛ばします。

そして、本当に大切なことに気がついた彼女はヴァイオレットの夢を守るために言いました。

何も辞めさせることはないと思います!

そのうち、もっと色んなことを知って、手紙も少しずつ書けるようになると思います。

お願いします。辞めさせないでください。

例え向いていなくても、『愛してるを知りたい』という夢を追いかけさせてあげたい。エリカはヴァイオレットの夢を後押しします。

きっとこれは、夢ともう一度向き合うことが出来た恩返し。

あの子と出会って実感した、忘れそうになってた自分の夢。

埋もれてしまっていた自分の気持ち。

オーランド夫人が書いた小説が私の心を震わせたように、私もいつか、人の心を動かすような手紙を書きたい。

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埋もれてしまっていた自分の気持ちをもう一度抱きしめたエリカは、迷うことなく1歩を踏み出せる。

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踏み出した時、時計塔の時刻は20時を指します。

20時は十二時辰では【黄昏】です。黄昏の語源は「誰そ彼(たそかれ)」。あなたは誰ですか?という意味です。

エリカは本当の夢を思い出しました。

だから迷うことなく歩き出せる。

あなたは誰ですか?という問いに『私は私だ』と答えることができるようになったから。

そんな彼女を見守るようなエンディングは茅原実里の『みちしるべ』。

エリカの『夢』が、1歩を踏み出す『みちしるべ』となるこの2話でアニメ初披露なのも納得です。

本当に素晴らしい物語でした。

本当の始まり

エリカの言葉もあり、改めてドールの仲間入りを果たしたヴァイオレット。

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青色や赤色が差し色としてあるのに、自動手記人形の服に身を包んだ彼女ではやはり色が足りないと感じてしまう。

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最後に…これ。

遅くなってごめん。

開けてごらん。

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開けます。

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これです!

少佐のブローチです!

彼女がブローチをスカーフの前で握りしめます。たったそれだけでしっくりきてしまう

あの場所にあのブローチがある事が当たり前のようにさえ感じてしまう。

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少佐の瞳のようなエメラルドを抱きしめたヴァイオレットは、ついに【自動手記人形】としての1歩を踏み出します。

いつか少佐の『愛してる』を理解するため。

どんな気持ちで言ったのか理解するため。

ここからが本当の始まり。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン第2話

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ラブライブ!サンシャイン!!Aqoursクラブ活動 LIVE&FunMeeting~Landing action Yeah!!~ 千葉公演夜の部感想

皆さまこんばんは、とっきーです。

今回は運良く行くことが出来た、Aqoursクラブ活動 LIVE&FunMeeting~Landing action Yeah!!~ 千葉公演夜の部の感想レポートを書こうと思います。

Aqoursが最高のJumpをする為の助走だったようにも見える全21公演。その千秋楽となった今回は、改めて彼女たちの絆、そして『今』に全力な姿勢を再確認できる内容でした。

初めに言っておくと、本当に最高のファンミーティングライブでした。

 

さて、ここからはレポート(というよりも感想垂れ流し)を書いていきます!

僕の記憶を頼りに書いていきますので多少の間違いはありますが、生暖かい目で見てください(笑)

また、ずっと伊波杏樹さんを見ていたので伊波さん成分多めです!

トークパート

注意事項

開演前の注意事項はGuilty Kiss。

鞠莉が明るく言った「撮影は禁止!イマを楽しむこと!」が最高に突き刺さりました。閉校祭やWATER BLUE NEW WORLDを経験した後の鞠莉にこの言葉を言わせるの、本当にズルいです。

その後善子ヨハネのパートでは、あいきゃんが「煉獄にひきずらっれrrrrrr」と噛んでしまうところが可愛くて笑ってしまいました。気を取り直して注意事項を読んだあと、最後に言った「リトルデーモンたち!前後左右の人と会釈するがよい!」で僕も実際に会釈したのですが、席に着いた時に感じていた閉塞感のようなものがふっと消えたのがとても印象的でした。

前からやっていたのでしょうか?僕にとっては初めてのことで、とても驚きました。

今までのライブでは僕と連番者とAqoursという繋がりだけでしたし、今回席に着いた時もほんの小さな閉塞感を感じていました。しかし、ヨハネの提案のおかげでオタク特有の軽いノリでまわりの方々と挨拶出来て、まわりの皆さんの笑顔が見れて。楽しみですね!なんて言いあったりして。縮こまっていた気持ちがふわっと軽くなったんです。

あの瞬間、心から楽しむ準備が完了したな、と思いました。

この試みを次の現場でも続けてほしいですし、もし公式がやらなくても、これからは自主的にやっていきたいと思います!笑

 

開幕

千秋楽の開幕はもちろんLanding action Yeah!!(Short ver.)。

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会場が暗くなった瞬間のざわめきと、イントロが流れた瞬間の怒号のような歓声。内臓が震えるほどの音の振動の中現れたAqoursは『みら僕』衣装。

初めて生で見る青と白を基調とした衣装は、彼女たちのかっこよさだけではなく、その中にある美しさを際立たせるデザイン。

スマートな上半身とふわりとした下半身のシルエットにおもわず息を飲みました。

そんな衣装への感動も去ることながら、僕はLanding action Yeah!!のイントロを聞いた時『戻ってこれた…!!』という気持ちで胸がいっぱいでした。

初沼津探訪も兼ねた12月の沼津公演昼の部は最高の思い出なのですが、その時の僕はまだ幕張に参加出来るなんて思ってもいなくて。楽しさが最大級だった分、寂しさもまた最大級で。

LVの映画館までも車で3時間ほどの距離ですし、仕事もある。現実問題として行けないと判断し、自分の中で僕のファンミはここで終わりと線を引いていたんです。

その分いっぱい別なところで楽しもう!と切り替えて、アニメを見返したり声優インタビュー雑誌を読み漁ったりしてその後のファンミから目を逸らしていました。

でも運良くチケットを手に入れることが出来て。席はキャストの表情が今までで一番よく見える近さで。

ワンコーラスのLanding action Yeah!!でしたが、僕の頭には沼津公演、そしてアニメ2期が終わってからの3か月の事が一気に甦ってきました。

 

遠くから聞こえたよ ここにおいでって

誰の声かはまだ分からない でも聞こえたよ

まだまだいっぱいあるんだ 話したいこと

待ってるだけじゃ伝わらない

 

サビの歌詞がそのまま僕の気持ちなんです。

待ってるだけじゃ伝わらないのはずっと感じていて。

そんな時幕張までおいで!って言われたような気がして。

沼津公演で伝えきれなかった感謝をAqoursや伊波さんに沢山伝えたくて。

そんな気持ちは抱えつつも、だから来たのさ!なんて言えるほどの自信がなかった僕の目の前で、最高に輝く笑顔の伊波さんが大きく手を振ってだから来たのさ!と歌っているのを見て、思わず泣いてしまいました。

ぐだぐだ考えるのはやめよう。

今はイマを全力で楽しもう!

そう思いながら伊波さんに大きく手を振りました。

 

この時はまだ、あいにゃがステージにいないことに気が付きませんでした。

 

挨拶

覚えている部分だけですが、雰囲気が伝われば幸いです。

元気ですかー!!!…ほんとにぃ?

LVの君もいいかな?良いって聞こえたー。

いつも通り頑張りまーす!!

千歌

私は一応リーダーの高海千歌

皆に!みーんなに!!LVのみーんなに!!

ハッピーを届けるよ!!

元気かーーーー?!!

みかん好きかーーーーー?!!

行くぞ!!!(かんかんみかんコール)

ファンミラスト!頑張るぞー!!

梨子

くらえ!梨子ちゃんビーム!!

(会場のぎゃあああああああのうめき声)

ダイヤ

ダイヤッホー!!

(ダイヤッホー)

ぶっっっっっっっぶー!!!!!ですわ!!!!

周りのメンバー「眉毛すごいwwwオン眉www」

眉毛どうすればいいの?(眉毛を上げ下げしながら)

えーっと…もう!言う事忘れたじゃん!!!

よろしくお願いしまーす

花丸

会場の皆さーん!ずらー!!

男の子ー!!!ずーらー!

女の子ー!!!ずーらー!

国木田花丸役!高槻かにゃこです!!

記憶に残っているものを引っ張り出してみました。

メモを走り書きしながら見ていたのですが、足を引き摺りながら登壇したあいにゃを見た瞬間に頭が真っ白になり、記憶が吹き飛びました。泣きながら「ごめんなさい」を繰り返すあいにゃを見て、まわりが「泣かないで」と叫ぶ中、僕はなんて叫んでいいかわからなくて。

そんな時でも彼女たちはいつも通りでした。

トークパートもありますから!

伊波さんが笑顔で言ったその一言はあいにゃの「ごめんなさい」を止めるだけでなく、その悲しさを「トークで盛り上げるから!!」という前向きな気持ちに変換します。

あいにゃの痛みも悔しい気持ちも、全部を一緒に受け止めて、皆で前を向く姿はアニメ2期のAqoursそのもののように見えましたし、沢山の場数を踏んできた2.5次元アイドルのAqoursだからこそだとも思いました。いままでの全ての経験があったから、ピンチを笑顔で乗り越えることが出来るようになったのではないでしょうか。

そして挨拶は諏訪ななかさんへ。

よーし、じゃあ…

恒例となっているすわわのハグの相手はもちろんあいにゃ。他のAqoursメンバーは手は広げつつもあいにゃに行くことが分かっていたようにも見えました。

伊波さんの言葉で前を向いたあいにゃに、「頑張れ」と「大丈夫」を伝えるかのようなハグ。 沢山あった言いたいことを全部込めたそのハグは、今まで見たハグの中でも最大限の『優しさ』が込められていたと思います。

そして、

この"9人"で、Aqoursです!!

勘違いかもしれませんが、逢田さんが前を見て言い放った言葉は、"9人"の部分が力強かったように思いました。

 

Aqours Meeting

今回の席順は、ステージに向かってCYaRon!(斉藤朱夏伊波杏樹・降幡愛)、Guilty Kiss(小林愛香逢田梨香子鈴木愛奈)、AZALEA(小宮有紗高槻かなこ諏訪ななか)。

簡単にメールの内容とAqoursの反応をまとめました。

一通目:リアル脱出ゲームについて。

質問:謎解きが得意なAqoursメンバーは?

もうすぐ始まるリアル脱出ゲームですが、試験問題をFTKの三人が解いたそうです。

解く前のきんちゃん曰く「6問とか3分でおわるってwww」だったそうですが、簡単なのは三問目までで、4、5、6問目には手も足も出なかったそう。

きんちゃん「30分くらい悩んだよねー」

あいきゃん「いやもっとだよw」

降幡さん「ずっちーことしたしね…」

公式サイトのヒントを見てしまった事をずっちーことという降幡さんがずっちーです。

きんちゃん「てか最後の一問の時にありしゃがやりたい!って入ってきてw」

あいきゃん「一番おいしいところでさぁ…私たちだけで解きたかったからダメ!!っていって断ったよね(笑)」 

そんな話の中で誰かが言った「一番謎解き得意な人って誰だろうね」

逢田さん「まぁ、苦手な人なら決まりなんだけど」

示し合わせたように遥か彼方へ顔を向ける伊波さんと斉藤さん。そしてそれをジト目で見つめる逢田さんの図。微笑ましい。

あんしゅかの二人は、楽屋でAqoursウォーターに書かれていたお試しのなぞなぞに手も足も出なかったそうです。

伊波さん「だって難しいかんなぁ~」

しゅかしゅー「私わかんなくてやめた」

逢田さん「あれ幼稚園児でも解けるから(笑)」

二人が時間をかけても解けなかった問題を、逢田さんは1分ほどで解いたらしい。流石です。

しゅかしゅー「私5秒で諦めた」

…流石です。 (笑)

 

通目:夫婦のラブライバーです。

質問:結婚式はどんな場所で挙げたいですか?

まず一言だけ。

メールの神田明神で結婚、新婚旅行は沼津でした。の部分を聞いたときの伊波さんが手で口元を隠して目を輝かせていたところがありえないほど可愛い。

伊波さん「はいはい!千歌はみかん畑!!」

斉藤さん「曜は船上」

高槻さん「まるは寺?」

小宮さん「ダイヤはすっごい和装似合うと思う。」

皆「果南ちゃんは?」

諏訪さん「水中。」

皆「水中?!めっちゃオシャレじゃんwww……オシャレじゃん!!!」

ネタかと思いきや想像してみるとめちゃめちゃオシャレなことに気づいたメンバーの反応が面白かったです。

小林さん「ルビィはすっごいドレス着てそう。」

皆「絶対可愛い!!」

降幡さん「秋葉原で挙げようかな!」

小林さん「ヨハネはねー…」

高槻さん「魔界は私達行けないかr」

小林さん「パイプオルガンがなるとこ!」

皆「魔界じゃないのかよwww」

小林さん「えーっと、とりあえず東京かな。」

リアリストな感じが逆に善子っぽくもあり、あいきゃんっぽくもあり、微笑ましかったです。

 

ここで神フリップ「ハンディに向かって誓いの言葉を言って。」

 

斉藤さん「余裕余裕!誓いますって言うだけでしょ?」

そう言いつつハンディカメラに触れない斉藤さん。

降幡さん「じゃあやっていきましょう!私神父やるね。」

斉藤さん「ハンディ持つ人は必然的に最後だよね!」

降幡さん「しまったああああああ!!」

伊波さん「朱夏、微動だにしなかったね(笑)」

斉藤さん「うん。最後やだもん(笑)」

降幡さん「…うし、やるぞお前らぁ!」

降幡さんが前に出てきて斉藤さんをカメラに移し、神父のセリフを言いました。

降幡さん「あなたは一生愛することをちかいましゅか?」

斉藤さん「誓います♡」

やばいのはここからでした。

降幡さんが右へ移動すると映し出されるのは、斉藤さんとハンディを交互に見て困惑する伊波さん。

降幡さん「あなたは隣の人と、一生添い遂げることを誓いますか?」

一瞬恥ずかしそうに笑ったあと、

伊波さん「誓います♡」

その瞬間。斉藤さんが、まるで磁石の様に伊波さんの胸に吸い寄せられて、二人は寄り添うようにハグしていました。

 

次は小林さんと逢田さん。

降幡さん「あなたは隣の人と、一生添い遂げることを誓いますか?」

小林さん「…」

特筆すべきは間の取り方。一瞬のタメによる無音、オタクもキャストも小林さんの言葉を待つだけの時間。口を開くと「絶対に」。誓うの「ち」を待っていた僕は混乱しました。絶対にってなんだ?一捻りするのか?ちょまっ

頭が追い付かないままスクリーンを見るとドアップの小林さん。

小林さん「絶対に誓うわ」

自信とテレといたずらっ子の表情が混じった顔は、ほんのりと頬をピンクに染めていました。

逢田さんよりもハンディにアピールしてしまったことが不満だったのでしょうか。

逢田さん「目を見てもう一回!」

その言葉を聞いて椅子を引いて向かい合う二人。

降幡さん「誓いますか?」

逢田さん「誓います。」

逢田さんは恥ずかしさからか、俯きめの小さい声でした。

向き合う二人はお互いに照れ、特に逢田さんは真っ赤になって悶えていました。そこへ追い打ちをかけるように小林さんが右手で口を隠し、逢田さんの頬へキスしようとします。

逢田さんはやめて!と手で防御しましたが、バカップルのようなイチャつきようで、顔は満面の笑みでキスは寸前で、夢のようでした。いや、夢かもしれません。もう夢でいいや。

ピンク色の雰囲気のよしりこに我慢ならなかったのか、間に割って入ったあいにゃの「私も混ぜて!!」で完全にオーバーキルでした。Guilty Kiss、可愛すぎて投了です。

 

次は鈴木さんと小宮さん。最初はあいにゃが誓うターンでした。

降幡さん「あなたは、この…」

鈴木さんを慈しむような目線の小宮さん。自然に鈴木さんの肩へ手を伸ばしがっちりホールドし、逃げ場を封じます。

降幡さん「威圧感のある人と添い遂げますか?」

イケメンから一転、目を見開いてハンディに向いた小宮さんはめちゃくちゃ面白かったです。しかし、顔では笑いを取りつつも腕はあいにゃの肩を抱き続ける徹底ぶり。

鈴木さん「誓います♡(高めの声)」

皆「可愛い…女子やなー…。」

今度は小宮さんが誓うターン。

降幡さん「あなたは隣の可愛い子と一緒にいることを誓いますか?」

可愛いを強調する降幡さん。

鈴木さん「なんでwww」

小宮さん「…誓うわ。」

 

次は高槻さんと諏訪さん。まずは高槻さんから。

降幡さん「誓いますか?」

高槻さんが、諏訪さんのおでこに自分のおでこをコツンとします。

伏目がちで呟くように言いました。

高槻さん「誓います。」

小林さん「ねえねえ、あいにゃが嫉妬してるよ!」

諏訪さん「だってもうあいにゃ、誓われちゃってるんだもん」

小宮さんがすかさず鈴木さんを抱き寄せます。

続いては諏訪さんの番。

降幡さん「あなたはこの…ぷくぷくした女の子と添い遂げることを誓いますか?」

高槻さんが頬を膨らまし、怒り顔がドアップで映り会場は爆笑。

しかし、高槻さんが膨らませた頬に自分の右頬をぴたっと密着させ、一言。

諏訪さん「誓います♡」

会場の笑いはファンの雄たけびに変わり、諏訪さんと高槻さんは笑顔で終わりました。

最後は降幡さん。

小宮さん「私相手役やるよ」

諏訪さん「こんな感じで映せばいいかな」

諏訪さんがハンディを持って二人を映そうと腰を落とします。

ちょうど諏訪さんが僕に背を向ける形になったのですが、なんといっても後ろ姿のシルエットが綺麗。本物の松浦果南のような立ち姿に鳥肌が立ちました。そしてふくらはぎの筋肉がこれまた美しい。彼女たちの努力の底知れなさを体感しました。

なんて諏訪さんに感動している時でした。

諏訪さん「あなたは隣のお姉ちゃんと、一生添い遂げることを誓いますか?」

…待って待って。意味変わってくるから。諏訪さんちょっとまt

降幡さん「お姉ちゃんと、添い遂げることを誓います」

そう言って自分の鼻を小宮さんの鼻にちょんと触れさせれたところで僕の記憶は吹き飛びました。

 

イケメン選手権

毎度恒例となった大人気コーナー。

一回戦:小林愛香 vs 諏訪ななか 審判:高槻かなこ

テーマ:デート中寒そうにしている彼女へイケメンな一言。

小道具:コート、マフラー、手袋から好きなものを使用可

スクリーンを見て各々出てくる中、諏訪さんがボソッと「私審判がよかったのに」と言っていました。

諏訪さん、彼女役やりたかったのか…。

 

 

 

 

彼女役やりたかったのか!!!萌える!!!!

 

失礼しました。

先攻は小林愛香、道具はコートでした。

高槻さん「さささっ寒いずら…!」

ガタガタと震える高槻かなこ

皆「どこでデートしてんだよwwwマイナス何度だよwww」

高槻さん「マイナス40℃」

コートを着た小林愛香が登場。

小林さん「どうしたの?」

高槻さん「寒いよ…。ここは寒いよ!!」

小林さん「え、どこwww?」

高槻さん「さすがに南極は寒いよ!」

小林さん「そっか。ほら。」

コートを広げ、高槻さんを後ろからハグする小林愛香

しかしコートがタイトめで高槻さんの前まで包めず。

高槻さん「前が寒い…」

小林さん「どう?温かくなった?」

高槻さん「ぽかぽか~♡」

 

後攻の諏訪ななか、道具はマフラー。

マフラーを巻く諏訪さんでしたが思いのほかマフラーが大きく、巻くのに手こずる中、勝手に高槻さんの演技がスタート。

高槻さん「さささっ寒いずら!!!」

にこにこしながらマフラーを巻き終わり、ゆっくり高槻さんの元へ歩いていく諏訪さん。

高槻さん「おすわくん、遅いなっ」

諏訪さん「wwwお待たせ。」

高槻さん「おすわくん!ここは寒いよぉ!!」

流れるように高槻さんの手を握り、自分の顔までもっていく諏訪さん。

諏訪さん「本当だ、手が冷えちゃってる。」

巻いていたマフラーを高槻さんに丁寧に巻き、そのまま抱きしめ一言。

諏訪さん「あったかくなった?」

高槻さん「…ぽかぽか♡」

 

結果:諏訪ななかの勝利。

小林さん「やってられっか!」

髪を振り乱しながら大股がに股で自分の席へ戻る小林さん。

会場爆笑。

高槻さん「コートだけくれればよかったのにwww」

会場爆笑。

着席後、あいきゃんならどんなシチュが好き?という問いに

小林さん「ベタだけどポッケに一緒に手を入れるやつ…」

鈴木さん「オゥフwww私も大好きでございますわよwww」

おじさんあいにゃも絶好調でした。

 

二回戦:斉藤朱夏 vs 伊波杏樹 審判:鈴木愛奈

テーマ:ソファに並んで座ってホラー映画を見ていて、本気で怖がり出す彼女にイケメンな一言

先攻:斉藤朱夏

鈴木さん「きゃあああああ無理無理こわいこわいこわい!!!」

斉藤さん「ええ?そんなに怖い?」

鈴木さん「怖いよ!」

斉藤さん「俺は怒った愛奈の方が怖い。」

鈴木さん「もー!しゅかくん!」

斉藤さん「でもさ、俺、愛奈の怒った顔が好きなんだよね。ほら、怒ってみ?」

鈴木さん「んんー!!…大好き…。」

斉藤朱夏に倒れこむ、おじさんじゃない方の鈴木愛奈

斉藤さん「落としてやったぜこの女ぁ!!」

小宮さん「彼氏と言うか詐欺師。」

伊波さん「まじかよーまじかよー」

斉藤さんのクオリティが高く、何も思いつかない伊波さん。

焦りすぎてソファに座るもあしたのジョーのような恰好で考え込む姿は、もうその時点でイケメンでした。

そのまま寝たフリをして演技スタート。

鈴木さん「きゃああああああ!!!いやああああ!!怖い怖い怖いいい!!」

伊波さん「どした?どした?」

鈴木さん「怖くないの?追いかけてくるんだよ?」

伊波さん「そんなに怖い?俺、全然怖くないんだけど。」

鈴木さん「なんで怖くないの?いきなり飛び出してくるのに…」

そっとあいにゃの手を握る伊波さん。

伊波さん「そばにいるから。お前がそばに居たらさ、俺は怖くないんだ。」

鈴木さん「なんで…?」

伊波さん「だって、守る相手がそばにいるんだから。怖がってたら格好悪いだろ。」

伊波さん「だから怖くない。そうだろ?」

鈴木さん「んんんん…杏樹くん大好き…♡」

伊波さん「杏樹くん?!斬新だな!」

二次災害をくらった逢田梨香子さんは椅子でぐるぐる回って放心状態。

伊波さん「落としてやったぜこの女をよぉ!!!」

小宮さん「杏ちゃん、この人も落ちた。」

逢田さん「やばい。私、あんちゃんの全部やばい…。」

 

鈴木さんの右に斉藤さん、左に伊波さん。

鈴木さん「どっちもかちじゃだめなの…?」

あんしゅか「だめ」

鈴木さん「…杏ちゃんで。」

伊波さん「よっしゃー!貰ってくぜこの女ぁ!!」

そういいながら優しく椅子を押して鈴木さんを移動させる伊波さんでした。

 

三回戦:逢田梨香子 vs 小宮有紗 審判:降幡愛

テーマ:卒業式で「先輩、第二ボタンをください」という後輩にイケメンな一言。

小道具:学ラン

先攻は逢田さん。なんでもAパートとBパートがあるそうで、実演したのはAパート。

降幡さん「逢田先輩!第二ボタンください!」

逢田さん「どうしようかなー。本当に欲しい?」

降幡さん「はい!ほしいです!」

逢田さん「じゃあ、俺のお願い聞いてくれる?」

降幡さん「はい!」

逢田さん「俺もさ、愛の全部が欲しいんだ。」

降幡さん「は、はげます!!!」

皆「はげますwww」

あげますに力を入れ過ぎてはげますになってしまう降幡さんなのでした。

 

後攻の小宮さんは、学ランの中に自分の髪を入れてショートヘアーになる徹底ぶり。

そして演技が始まりました。

降幡さん「おにいちゃん…」

皆「?!」

小宮さん「愛…」

降幡さん「第二ボタン、ください!」

小宮さん「愛、その意味が分かって言っているのか?」

降幡さん「意味…?」

小宮さん「第二ボタンは、一番心臓に近いんだ。そのボタンをくれって言っているんだよ。それでもほしいのか?」

降幡さん「…うん。」

小宮さん「わかった。愛が心まで全部俺にくれるなら、あげてもいいよ。」

降幡さん「あ、えっと、もっ貰います!!」

降幡さんが小宮さんの胸に飛び込みます。

降幡さんを受け止め抱きしめ、見えないところでカメラに親指を立てる小宮さんを見た伊波さんが「ここにも詐欺師がいたwww」といって終了でした。

 

そして勝者は小宮有紗

小宮さん「奪ってやったぜ!!」

逢田さん「Bパートやっておけばよかった!」

皆「Bパートやったら?」

小宮さん「これ収録されるんだよ?」

逢田さん「後で楽屋裏でやる」

わいわい盛り上がる中、誰かが言った「レジェンドのが見たいよね」に会場中が反応。

降幡さん「いや!そういう流れ?やだよ!!」

小宮さん「さっさとやる」

降幡さん「はい」

 

学ランを肩に羽織るだけの降幡さん。表情は悪い顔。

逢田さん「先輩!第二ボタンください!」

降幡さん「俺?俺の?」

逢田さん「はい、先輩のです。」

降幡さん「俺、普段ボタンかけないからきちっと付いちゃってんだよな!」

皆「www」

逢田さん「第二ボタン…ほしいです。」

降幡さん「おう!全部やるよ!」

学ランを逢田さんへ投げる降幡さん。

降幡さん「そんなことよりさ、お前を味見したいんだよね」

皆「wwwwwwww」

ハンディに向き直り、降幡さんの顔ドアップ

降幡さん「お前らも味見したいんだよね!!!」

会場は大爆笑に包まれ、イケメン選手権は終了しました。

 

浦ラジパーソナリティ発表

告知の後、逢田さんの「浦ラジのパーソナリティが決定しました!こちらです!」の声と共にスクリーンには三名の名前。

斉藤朱夏

降幡愛

小林愛香

逢田さん「では、新パーソナリティから一言ずつお願いします!」

斉藤さん「今回は本当に皆さんありがとうございます!頑張ります!小林先輩、色々教えてください!!」

小林さん「こういう感じね…」

降幡さん「まさか準レギュラーからレギュラーになれるとは思っていなくて。」

皆「昇格だね!」

降幡さん「これから、面白いこといっぱいやりたい!ていうかやる!公開録音とか!」

小林さんに向きなおり一言。

降幡さん「だから…愛香先輩!よろしくおねがしゃす!!」

逢田さん「最後、あいきゃん」

小林さん「皆さん、沢山の投票ありがとうございます。本当に、嬉しいです…。私、浦ラジが大好きで。二人がいるからで。ぐ~さん、ぱさんがいてくれたからで…」

伊波さん「…あ、私か!二人って朱夏たちかと思った(笑)」

小林さん「二人のおかげで楽しかった!ありがとう!!」

伊波さんと小宮さんにお礼を言うあいきゃんはとても綺麗で、伊波さんと小宮さんは清々しい笑顔で言葉を受け取っていました。

その後、皆で二人にお疲れ様でした!と言った後

小宮さん「私、ぐ~りんぱの曲は諦めてないからね。」

伊波さん「私も!」

二人はいたずらっ子のような笑顔で言いました。

 

これにてトークパート終了。

 

新パーソナリティについて、ひとりごとを。

今までの浦ラジを聞いていて、あいきゃんは本当にAqoursが、ぐ~りんぱが、そして浦ラジが好きなんだということが痛いほど伝わってきましたし、なにより投票期間中のアピールを一番頑張っていたと思います。

僕は伊波さん推しで、伊波さんに全票投票でもよかったのですが、やっぱりラジオ自体を一番好きな人にやってほしいという思いから伊波さんとあいきゃんに半々ずつ投票しました。

ぐ~りんぱの降板は悲しいし、寂しいです。でも、今まではぐ~りんぱの目線で語られてきたAqoursのことやイベントが、次からは新しいメンバーの目線から語られるのが楽しみな自分もいます。

ぐ~りんぱの皆さん、1年5ヵ月お疲れさまでした。超楽しかったです。

しゅかしゅー、ふりりん、あいきゃん。頑張ってください!!超聞きます!笑

最近は聞くばっかりでメール出してなかったので、また出してみようかな…(笑)

なにはともあれ、あいきゃんの続投が決まって心の底から嬉しかったです。

本当に本当におめでとう!!!

これからも毎週、パワーをもらいたいと思います!!

 

次!ライブパートへ移ります!!!

ライブパート

未来の僕らは知ってるよ(TVサイズ)

没入感。

この一言に尽きました。

沼津公演の時はステージに対して真ん中の方だったので、アニメとの対比に感動しました。バックスクリーンの光を千歌の手が受け取り、握られ、伊波杏樹が前に手を伸ばす。あの時は2次元から3次元へバトンが渡された感覚を覚えました。

しかし今回、席はステージに対して真横ほぼ最前。

彼女たちの配置がくの字に見えるのです。

こんなみら僕は知らない。頭がショートしそうでした。

それもそのはず、アニメ感想を書くために何度も繰り返し見てきたOPは千歌を中心とした正面からのもの。

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実際に見た沼津公演でもほぼ同じ構図。

『みら僕はあの構図だ』と脳に刷り込まれていたんです。

謎の感覚でショート寸前でしたが、千歌の出だしのパートに集中しようと伊波さんを食い入るように見つめていました。

千歌が未来を掴もうを足掻いた2期。

泣かないと言い張り、それでも泣いてしまった2期。

傷だらけになって、輝きを見つけることが出来た2期。

最終話以外のどんな時も、始まりはこの歌でした。

決意表明のような、背伸びをしたような、希望に満ち溢れたこの歌は、どんな時も彼女達に寄り添ってきました。僕自身も傷つく彼女達を見るのが辛かった時期はこのOPに何度も励まされてきました。

でも、今目の前に広がる光景は見たことのない景色。

横から見たみら僕なんて、知らない。

もしかして、この光景は。

アニメの中のサイリウムを振る人たちの目線なんじゃないか。

そう思った時。

僕の体は右手でみかん色のサイリウムを掲げていて、僕の周りの方々も各々の推し色のブレードを真っすぐに掲げていて。

僕のブレードの先には高らかに手を掲げるAqoursが、そして伊波さんがいて。

この光景は全く知らないけれど、これは正真正銘未来の僕らは知ってるよ』だ。

そう思いました。

僕は千歌の世界には入れないし干渉できない。でも、こうして伊波さんが僕と千歌を繋いでくれるんだ。そう実感できただけで本当に貴重な体験になりました。

キャスト推しの運営だという意見も見受けられる最近ですが、これほどまでに千歌を感じられる一曲は初めてでした。

恋になりたいAQUARIUM

すいません、しゅかしゅー全然見てませんでした!!!

上で書いた感覚のままふわふわとした浮遊感に酔っていて、ずっと伊波さんだけを目が追っていました。

表情まで見える近さは初めてだったのですが、リーダーとして沢山を背負ってきた千歌としてのみら僕から一転、とにかく歌って踊るのが楽しい!!という千歌のような伊波さんの表情。色々な千歌を体現するかのような伊波さんは、やっぱり『表現者』なんだと思い知らされました。

そんな没入感の熱に浮かされた(字的に違和感)状態の僕の目を覚まさせたのはヨーソロードでした。

幕張のヨーソロードは本当に綺麗で、壮大で、しかしPVよりも『太い』ものでした。

あの瞬間、僕の意識は現実に戻りました。PVのヨーソロードよりも大きいものを、家虎や光害で苦言を言われてきたこの曲で出来た。それが嬉しかったのです。

正直な話をすると反感を買いそうで怖いですが、この際なので語ります。

僕は恋になりたいAQUARIUMは大好きです。歌詞は素敵だしダンスは可愛いし。

でもライブは別です。

『また近くの人が叫んだら嫌だな』から『頼むから叫ばないでくれ』、最後には恋アク自体を怖がるようになってしまいました。

僕の正直な気持ちを言うと、この曲が来る度怖かったんです。

しかし今回は(僕の周りはですが)目立った厄介さんはおらず、目の前ではアニメPV以上の青い光の道。その事実が心の底から嬉しくて、楽しくて。

なによりヨーソロード・果南レールの企画を頑張った方々の努力が、最高の形でしゅかしゅーへ届けることが出来たことが嬉しかったです。

韓国から始まったヨーソロードですが、企画を引き継いだ有志の方々がいなかったら、道はあそこで途絶えていました。皆さんがいたから、韓国から伸びた光の道を最後は幕張まで繋げることが出来たんです。ほんとうに感謝しかありません。

有志の方々の努力は確かな軌跡として、おそらく円盤収録で永遠に残るでしょう。

でも、残る輝きは幕張まで。

これからも色々な場所へ繋げ続けていけたら素敵ですね!!

Daydream Warrior

ライブのイントロ版Daydream Warriorをください。

運営…頼む…。

失礼しました。

Daydream Warriorで特に感動したのは、緩急と動きの止め。

鋭さのある振りの中、止めるところは時間が止まったんじゃないかというほどの静止でしたし、速い動きからスローに変わった瞬間は、まるで彼女達が水中で踊っているかのような錯覚に陥りました。曲が鳴り続ける中で、Aqoursが踊る空間だけ時間の経過が緩やかなんじゃないかと思うほどでした。しかし次の瞬間にはまた激しいダンスへと戻っていく。一時とも目が離せない。

惹きつけられて、魅せられて、目線を奪われ続ける感覚。

曲を聴いている間は1秒1秒が濃く『Daydream Warriorってこんなに長い曲だったっけ?』と思っていて、しかし曲が終わると『は?短すぎだろ…』と感じていました(笑)

そんな感じで僕の頭はごちゃごちゃでしたが、目線は伊波さんに自動追尾。

伊波さんは文字通り"Cool"で、冷たい雰囲気とかっこよさを纏っていました。

血が冷えるほどの雰囲気。しかし、その雰囲気がより引き立てるんです。彼女の中から溢れて止まらない熱量を。

冷たい炎というか、燃える氷というか。

とにかくやばかったです(語彙無しすいません)

そして、次はあの曲。

スリリング・ワンウェイ

上で書きました、Daydream Warriorでの伊波さんの"Coolさ"。しかし、直後のスリワンで叫ぶのは"生きる熱さ"。

もはや鉄板となりつつあるデイドリ→スリワンですが、僕の中で一番楽しいのは曲の切り替わりの瞬間なんです。

スリワンのイントロが流れた瞬間、体を巡る冷えた血が沸騰するような感覚になるんです。

この感覚は、セトリ的に来ると分かっていても対策できません(する気もありませんが(笑))。

今回のスリリング・ワンウェイの特筆すべき点はラストの伊波さんの表情ですよね。

曲が終わる瞬間の、赤いライトに照らされた伊波さんの鋭い眼光と挑戦的な微笑。どうだ!と言わんばかりのあの表情。『あ、ダメだ好き…』ってなりました。

ジャンプ主人公かよ…。

青空Jumping Heart

今回の青空Jumping Heart、今までで一番感動しました。

Aqoursのクオリティが向上しているのはもちろんなのですが、この記事で振りコピについて考えさせられたのが大きかったです。

gerelive.hatenablog.com

僕は振りコピが苦手です。

ここまで読んでくれた方なら分かると思うのですが、僕は見て聞いて、エモ散らかすのでキャパオーバーなんですよね。キャストに見とれすぎてコールを忘れることもあるほどで…。

でもこの記事を読んで、振りコピって出来たらめちゃくちゃ楽しいじゃん!!と改めて思うことが出来たんです。この記事を読み終わった後、HAPPY PARTY TRAINのサビを覚えつつ、僕は改めて青空Jumping Heartも覚えました。

私が覚えた部分の振りはめちゃくちゃ簡単で、今まで何も準備しなくてもAqoursの見様見真似で出来ていました。

しかし、改めて振りをきちんと覚えていくとライブ中に体が勝手にやってくれて、その分他の事に頭を使えるんですよね。

振りに目と頭を使わなくなった今回、キャストの動きだけを追っていた今までと明らかに違ったのは視界の広さ。

キャストだけを見ていたあの頃では絶対に気づかない素敵な光景が広がっていました。

ラスサビの説明はできないけどだいじょうぶさの時、会場中の9色のライトが一斉に上に向くんですよね。

そして最後のまっしぐら!では上に向いていたサイリウムが一斉に前を向く。

歌詞の通り、明日への道をまっすぐに進むかのような軌道が僕の目の前に広がっていて、そのサイリウムの軌道の先にはAqoursがいて、彼女たちも真っすぐ前を指さしている。

皆が一緒に、同じ軌道を進んでいるんだと言われたような気がしたんです。

そしてAqoursの中心では笑顔の伊波さん。

その光景に涙が止まりませんでした。

ゲレゲレさんの記事でキッカケを貰えたお陰で、心から楽しい青空Jumping HeartAqoursから受け取ることが出来ました。本当にありがとうございます。

HAPPY PARTY TRAIN、いつかみんなでやりたいですね!!

ハミングフレンド

散々伊波さんがCoolだとか、生きる熱さだとか書いてきましたが、伊波杏樹の恐ろしいところは等身大の女の子を演じるときの破壊力なんですよ。

ケンカもしちゃうけどで悲しい表情をした後のOh Yeah!!のはじける笑顔なんですよ。

ハミングフレンドが幕張一日目で歌われた時からこの瞬間を目に焼き付けるんだと心に決めていましたが、トークパートが楽しすぎた為その事が頭から吹き飛んでいて、心の準備をすることなくOh Yeah!を見てしまい、地蔵になってしまいました。

届かない星だとしても

どうしても聞きたかった曲です。

こんなにも二つ(アニメ・現実)のAqoursの気持ちを表す歌は、なかなかないと思うのです。

千歌たちの叫びのように。

そして自分たちの叫びのように。

清々しいまでの無謀さこそがAqoursだと思うんです。

そんな、沢山の事を経験してきた『今の彼女達』だからこそ歌える、届かない星だとしてもが聞きたかった。

そしてなにより、あいきゃんにぐ~りんぱで堕天ポーズをさせてあげたかった。

聞けて良かった。

見れてよかった。

堕天ポーズをした後のあいきゃんが伊波さんと小宮さんにお辞儀したのを見た時、この人がAqoursにいてくれて、ぐ~りんぱでいてくれて、本当に良かったなと思いました。

あいきゃん、本当に楽しそうでしたね。

思い出して泣きそうです。

Landing action Yeah!!

Aqoursに笑わされ、泣かされ、ボロボロになった状態で正直もう満身創痍でしたが、皆で歌って、一緒に踊って、開幕のLanding action Yeah!!では自信を持てずに言えなかった伊波さんへの「だから…来たのさ!」も自信を持って言えました。

そして曲の途中でのセリフは逢田梨香子さんの「ファンミーティングツアー!!ほんっとうに楽しかったです!!最後は皆、大きな声で歌ってください!!」。

僕も沢山の気持ちを込めて、大きな声で歌いました。

開幕では伊波さんに伝えたいことがいっぱいありました。

ですが、今回のファンミライブを通してどうしてもあいにゃに伝えたいことが生まれて、その気持ちを沢山込めました。

今回のライブは、あいにゃがいないけどこんなにも楽しい。

でも、あいにゃがいるともっと楽しい。

今回はあいにゃがいない分、その穴を埋めるように皆が限界以上のものをぶつけてくれて100%のライブになったと思います。

でも、Aqoursならもっと先へ行けると思ってしまう。

常に限界のその先を目指す無謀さこそがAqoursなんだと思うのです。

そのためにはあいにゃが必要不可欠なんです。

だから今はゆっくり休んでほしい。そして次のライブでシャイニーな笑顔を見せてほしい。そんな気持ちを込めました。

届いてるといいなぁ…。

勇気はどこに?君の胸に!(11話ver.)

本当の最後の歌はやっぱり9人じゃないと!

そう言って小宮さんと諏訪さんに手を引かれてあいにゃがゆっくりと登壇します。

あいにゃ「皆本当にかっこよかった…」

伊波さん「あなたもかっこいいのよ!いつも!」

伊波さんがあいにゃの隣で寄り添い、歌の間はずっと支えていました 。

 

1期13話で、千歌は皆と輝くことはできました。

しかし、一緒に歌うことはルール上の壁に阻まれ、叶えることが出来ませんでした。

それが2期11話で叶うんです。

しかも浦女の全校生徒だけだった輪から、内浦の皆というより大きな輪となって。

でも、それを見る僕がいくら歌ったって彼女達には届かない。

あの世界には入れない。

それがどうでしょうか。

バックスクリーンではむっちゃんたち、美渡さん、志満さんが歌っていて。

目の前では8000人以上の大合唱。

LVも合わせるともっと沢山の方が声を振り絞っている。

皆が同じパートを歌っている。

僕が感じていた千歌たちにとっての『皆』に入れない疎外感は、伊波さんたちの本気のパフォーマンスによる2.5次元への没入感で解消されました。

あの時、ようやく僕の中の2期11話が終わった気がしました。

 

これで、ライブパートは終了です。

 

まとめ

今回のファンミ千秋楽、一番大きかったのは『勇気はどこに?君の胸に!』の大合唱でしょうか。あの合唱は絶対にやりたいと思っていたため、今回できて本当に良かったです。

ただ、チケットを取れなかった方が沢山いたり、都合が合わずLVに行けなかった方も多かったと思います。僕もどうしても行きたかったμ'sFinalLive、そしてAqours1stLiveに全落したことがあるので、気持ちは痛いほど分かります。

ですが、沢山の方がレポートとして文字を、絵を残してくれています。実際に見ることが叶わなかった人にもあの時の事を伝えたい、一緒に次へ進みたい。そんな気持ちで残していると思います。

僕もそうです。

このレポートは、僕が見たものを残しておくための自己満足です。それでも、少しでもあの時の事が伝われば。そんな気持ちを込めました。

一文でも、読んでよかったなと思っていただける文章があれば凄く嬉しいです。

だらだらと長い文章を、最後まで読んできただきありがとうございました。

皆さんと次に会えるのは函館でしょうか。3rdライブでしょうか。

Aqoursを好きな気持ちがあれば、それを頼りにいつかはどこかでまた会えるのってめちゃくちゃ素敵ですね。

今回はここまで。

これにて4か月間のラブライブ!サンシャイン!!Aqoursクラブ活動 LIVE&FunMeeting~Landing action Yeah!!全日程終了!!!

Aqoursの皆さん、お疲れさまでした!!

オタクの皆さん、お疲れ様でした!!!

 

最高に楽しい4か月だったー!!!

 

 

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデン第1話 感想

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少佐の瞳があります。

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少佐の瞳と、同じ色です。

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これを見た時の、こういうの…

何と言うのでしょう。

エメラルドのブローチを見てそう言った少女の瞳は理解できないものと出会った子供のようでした。

痛々しいまでの無知と言いますか。

感情って赤ちゃんでも出しますよね。

お腹が減ったと泣いたり、嬉しくなったと笑ったり。

思い通りにならないと怒ったりもします。

どんな赤ちゃんでも、絶対にするんです。

1人では生きられないから。手を貸してほしいから。

愛してほしいから。

でも彼女は感情を表に出さない。

人を人たらしめる『感情』を理解できていない不完全さが、逆に彼女の美しさを引き立てていました。

そんな彼女の痛みを感じることが出来るのはあの場にいた少佐だけ。彼女は感情を理解できないということさえも知らないから、痛みも認識出来ない。

僕は無痛ほど痛いものは無いと思います。

痛みは防衛本能です。体が無理をしないように教えてくれるもの。心が壊れないように教えてくれるもの。

どうして彼女にはそれが無いのか。f:id:tsktktk:20180308012553p:image

どこかセピア色がかった景色は過去の夢だったようで、風景は溶けて混ざり合い、少女は病室で目を覚まします。

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ボロボロの体で紙に綴るのは手紙というには無機質な、少佐への報告書。

体力はほぼ回復。

動作に多少の支障あるも、任務の遂行は可能。速やかに職務への復帰を…

彼女の感情を表すものは何一つ書かれることなく、現状を記したのみ。

その報告書は彼女自身だと思いました。

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その報告書を、風がふわりと攫っていきます。

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何も知らない彼女に外の世界を教えるように。

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沢山の感情で溢れかえる世界を見せるかのように。

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活気溢れる街の景観と、病室という鎖された場所の対比が本当に美しかったです。

 

 

という訳でヴァイオレット・エヴァーガーデンの感想始めました。

久しぶりのアニメ感想!!

最初は書かないでおこうかなとも思ったのですが、回が進むごとに書きたい欲が溜まり…うん、書こう!と重い腰を上げました(笑)

現状6話まで視聴済みですが、書くなら1話からでしょ!ということで、時期外れですが最初から書いていきます。なるべく早く最新話の感想を書けるように頑張ってまいりますので、是非よろしくお願いします。

今回は3つのトピックスです!!

  • スミレの名前と色のない少女
  •  彼女の中と外の優しさ
  • 「火傷」と自動手記人形

 

 ・スミレの名前と色のない少女

その美しい少女は、戦争で戦い続けた軍人でした。

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その少女を知るものは、彼女を武器だと言った。

命令すれば戦う、人の形を模しているだけの、心を持たないただの道具だと。

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戦争は壮絶なもので、その中を生き抜いてきた彼女の戦闘能力の高さはおそらく異常なのではないでしょうか。

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この表情を見て、まず頭に浮かんだのはエサを待つ雛でした。

少佐に依存しているのか、親の様に刷り込まれているのか。しかし僕は、少佐をそんな冷徹な人だとは思えない。

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道具として使ってきたはずの少佐の表情はどこか息苦しそうで、きっと彼女を危険にさらし続けることは本意ではなかったのだと思います。

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エメラルドのブローチ…

少佐に頂いたものなのです!

親心のように、彼女が理解できない感情と出会ったことを忘れないでほしかったのでしょうか。

それとも恋心の様に、自分の瞳のようなブローチを見る度に自分を想ってほしいという気持ちがあったのでしょうか。

少佐の気持ちは現時点では全く分かりません。

しかし一つだけ分かる事があります。

それは、心を持たないと言われてきた彼女がエメラルドのブローチに興味を示したこと。

心を持たない彼女に価値があるものとは何?と聞いたら、おそらく実用性のあるもの、希少性のあるもの、戦争を有利に進めることが出来るもの等を答えると思います。

しかし、少佐の事となると話は別でした。

彼女はエメラルドのブローチに今までにない興味を示した。

文字通りの言葉しか扱えず、見たままの情報でしか判断しないはずの彼女が、エメラルドを少佐の瞳だと言い、さらに言葉に出来ない感情戸惑った

ここが重要なんだと思うのです。

 

しかし、そんな彼女はやっぱり少佐以外には興味を示さない。文字通りの意味しか汲み取れない。

本当の親だと思って、なんでも言ってちょうだい?

私には元々親はいませんので、代わりは不要です。

兵器として扱われてきた彼女には感情は不要で、無駄なものだったのかも知れません。

しかし、戦争が終わった今となっては、価値は逆転します。兵器としての力は要らないものになり、道具としての価値は無くなります。 

自身の存在価値が見いだせない彼女の悲痛な叫びは心が痛みました。

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私が腕を失い、武器としての価値がなくなったからですか?!

私はまだ戦えます!

不要になったのなら、私は処分されるべきです。

彼女が彼女であるためには少佐が、そして戦争が必要という事。

沢山の人の命を奪った戦争が、自分の腕は切断され、体中が傷だらけになった戦争が、彼女には必要だったんです。自分が存在する意味を確認するために。

 

きっとその少女は無色透明なんだと思うのです。必要な状況で適応するように、無駄なものを捨てられ、ついには空っぽの無色透明の少女になってしまった。

 

その少女の名前はヴァイオレット
無色透明の自分の価値を確認するために敵の返り血を浴びてきた彼女の名前がスミレを冠するのはなんとも悲しい皮肉でした。

 

・彼女の中と外の優しさ

戦争が終結した今だからこそ、手紙の需要は高まる一方。そのことを聞いた時、なんて素敵なんだろうと思いました。

戦争は良いものを何も生みだしません。膨れ上がるのは死体の数と憎しみだけ。

そんな戦争が終結した今だからこそ、大切な人へ想いを伝えたいと手紙を求めるライデンの国の人々はなんて優しいんだろう。なんて素敵なんだろう、と。

 

そして心が締め付けられたポイントがもう二つあります。

一つ目は文字と文章を教えることは途方もなく大変だからこそ書けない人も多い時代のはずなのに、少佐はヴァイオレットに文字を教えていたこと。

仕事の為か、愛情からか。

どちらにせよこのスキルを身に着けていたからこそ、彼女は手紙の仕事に携わることが出来る。少佐が彼女の『今』を作っている。それがなんだか嬉しかったのです。

二つ目はヴァイオレットが手袋を外した時のベネディクトの表情です。

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ここまで彼女の手を見てきた人は、皆息をのみ驚きます。不幸がって、悲しがって、同情し、腫物を扱うようにしてしまう。

僕にはそれが悲しかった。きっと僕自身も同じ立場なら同じことをするだろうなと思ったから。しかし、ベネディクトは彼女の手を見て驚かず、対等な人として接した。

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それがとても嬉しかったです。

 

 ・「火傷」と自動手記人形

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これから君は沢山の事を学ぶよ。だけど、学ばない方が、知らない方が楽に生きられるかもしれない。君は自分がしてきたことでどんどん体に火がついて、燃え上がっていることをまだ知らない。

燃えていません。

燃えてるよ。

燃えていません。おかしいです。

いや、燃えてるんだ。

沢山の人を殺してきたヴァイオレットは、まだ『愛情』を知らないんです。

自分が殺してきた人々にも愛する人がいることも知らない。どれだけの業を背負っているか、理解していないんです。

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いつか、俺の言ったことが分かる時が来る。

そして初めて、自分が火傷していることに気づくんだ。

愛を知らないヴァイオレット・エヴァ―ガーデンは、知らないからこそ無痛でいられました。(本人は望んで無痛になった訳ではありませんが。)

そんなヴァイオレットには唯一気になることがありました。 それは『愛してる』という言葉。

悩む彼女の元に、ある一人の客がやってきます。

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ミス・ヴァイオレット。

代筆を頼みたいんだけど。

その人は遠くに暮らす幼馴染へ手紙を出したいと言いました。

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君が世界の全てだった。

君の為なら、僕は何でもできた。

君の気持ちが知りたい。

君の心を分かりたい。

今は離れているけれど。

君の事を…

愛してる…でよろしいでしょうか?

はい!

どういう時に言うのか。

どれ程の重みがあるのか。

その女性は、初めて会った男性の話から本当の気持ちを掬い、美しい言葉へ変換していきます。その中にもありました。『愛してる』が。

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どうして分かるのですか?

先ほどの方の『愛してる』がなぜ分かるのですか?

初めてエメラルドのブローチを見た時と同じ、理解できないものに出会ったような顔をします。それだけ衝撃的だったのでしょう。

その言葉の意味を探すために、心を持たないはずのヴァイオレット・エヴァーガーデンは自動手記人形という職に志願します。

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自動手記人形の仕事がしたい?

はい。ペンを握るのはまだ困難ですが、タイプライターなら操作可能です。

いや、そうじゃなくて。聞きたいのは…どうしてその仕事が…

知りたいのです!『愛してる』が…知りたいのです。

少女にとって世界そのものだったギルベルト少佐が、最後に伝えた一度きりの『愛してる』。

その言葉を知りたくて、彼女は踏み出します。 

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絶対少佐を死なせません!!

やめろ、もうやめてくれ!!

生きるんだヴァイオレット。

君は生きて自由になりなさい。

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心から、愛してる。

きっと彼女は沢山の出会いの中で、少しずつ、色々な愛を知っていくんだと思います。

そして、少佐の心がいつか本当に分かる時が来るんだと思います。

でも、その時はきっと。

彼女は、自分の火傷に気づくのかもしれません。

 

ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン第1話

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グレイテスト・ショーマン 感想

ミュージカル初心者にこそ見てほしい。

なぜなら僕がミュージカル初心者だったから。

僕はミュージカル映画はハイスクールミュージカルくらいしか見たことありません。

そして英語力皆無で頭もよくないので字幕を追うので精一杯な人間です。

そんな僕でも楽しめた。もう一度見たいと思えるくらいにはエキサイティングだった。

無を有にすり替える偽物の物語

大切なのは夢?成功?名声?お金?

沢山の人を笑顔にしたP.T.バーナムの人生の一端。

約2時間の人間賛歌。人生賛歌。

才能ある男、P.T.バーナムの成功と失敗の物語。

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一人の男の人生を通して見た世界はとても色鮮やかで魅力的でした。

周りよりも背が高り人、体重がある人、肌が黒い人。富裕層が貼った『価値のない低俗なもの』というレッテルを剥がし『魅力』にすり替える彼の考えは綺麗で優しくて。成功にしがみつき、失敗を重ねる姿は見ていられないくらい人間らしくて。

そんな彼が目指した地上最大のサーカス。

キラキラとした輝きではなく、燃え続ける情熱のような人間臭さ溢れる輝き。

若いころの自分が思い描いた夢の舞台に、全てを乗り越え到達したあのシーンの興奮は、思わず「まじかよ…」と声が漏れるほどでした。

本当にやってくれたなという思いです。

 
歌が本当に心に響く。

ミュージカル部分、最初は字幕を目で追いつつキャストを見ていたのですが、すぐに止めました。あれは歌というか感情の解放に近いものだった(多分ミュージカルってそういうものだとは思いますが(笑))ので、雰囲気を掴んだ後はキャストの表情と歌に全神経を使いました。

なんと言っても歌が素晴らしいんです。

どの歌も良かったのですが、個人的にはバーナムとフィリップの「The Other Side」がめちゃくちゃ好きです。

バーナムの本気の誘いに対しフィリップも本気の歌声で返し、最後には手を取り合いつつハーモニーに繋がるという流れはワクワクしました。

儲けの取り分を議論するシーンは特にお気に入りで、ten!と互いに合意して酒をあおるシーンは最高にクールでした。

 

バーナムの魅力にあてられた人々の物語でもある

バーナムのサクセスストーリーは痛快の一言に尽きます。

彼の無から有を生み出す才能は驚きの連続でした。

彼が家族を幸せにするため、金を儲けるために集めたものはユニークな『人』。

皆から疎まれ、蔑まれてきた『人』。

異質なものを拒む人達の中で『異質』は『特別』なんだ、オンリーワンなんだと示した彼だから、多少の失敗や軌道がぶれた時でも仲間たちは見放さない。

一人では挫けてしまう人たちに手を伸ばしてきた彼だから、自分が挫けかけて立ち上がれない時に支えてくれる仲間がいる。背中を蹴飛ばしてくれる仲間がいる。

バーナムの輝きに魅せられた周りの人々もまた、輝きに溢れていました。

資産も階級も何もかも失った。

残ったのは友情と、愛情と、誇りをもてる仕事だけ。

これは上流階級を捨ててバーナムの夢を共に追いかけたパートナー、フィリップ・カーライルの言葉です。

確かにお金や資産は大切ですし信用できます。絶対的に価値のあるものです。

しかし本当に大切なことは目に見えないもの。

サーカスの皆と築き上げた『居場所』だったり、沢山の障害を乗り越えて繋がれた恋人だったり、素晴らしい人生を教えてくれた師との絆だったり。

お金とコネという絶対的な価値のあるものを持っていたあの時よりも、目には見えないけれど胸を張って素晴らしいと言えるものを手に入れたフィリップは、確かに『今』を生きていました。

幼少期の夢の舞台に、たくさんの困難を乗り越え立ったバーナムを見た時の感動は言わずもがなですが、「君ならできる。幕はもう上がっている。」と最後の「The Greatest Show」で自分が積み上げてきたものを継承するかのようにフィリップにハットとステッキを渡したところはバーナムにとっての終わりとフィリップにとっての始まりを感じ、涙してしまいました。

 

偽物が本物になる物語

『仲間との絆』が、成功で積み上げた利益や名声なんかよりずっと価値のあるものだと知った時のバーナムの表情は本当に輝いて見えました。

家族の為のお金稼ぎと、自分の欲を満たすための成功への執着。

天才の彼でも両方を掴むことはできませんでした。

それもそのはず。

彼にとって一番大切なものは『家族』でした。

妻、愛娘たち、そしてサーカスの団員。

皆が『家族』。

家族の笑顔の為に動く彼だから、沢山の人を笑顔にできる。

どんなに汚い言葉で罵られようと、蔑まれようと、彼は誰かの笑顔の為に駆け抜ける。

その先にあったのは『無を有に見せかける偽物』ではなく、『見てくれる人たちを最高の笑顔に変えることのできる本物』の自分。

文句なし。最高の物語でした。

 

終わりに。

本当に最高の物語を見させていただきました。

ヒュー・ジャックマンをはじめとするキャスト、制作スタッフの皆様に最大の感謝を。

そして、サーカスを作り上げたP.T.バーナムに最大の敬意を。

また見に行きます。人間賛歌の最高のショーを。

 

P.S.

本当に楽しい2時間でした!!!

ブルーレイが出たら買わせていただきます!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

内田彩さんの魅力を知った話。

皆さんこんにちは、とっきーです。

僕はラブライブ!サンシャイン!!が好きで、その気持ちを発信し受信し続けてきて、そのお陰か色々な方とTwitterで繋がることが出来ました。

2期が始まってから増えた繋がりですが、時間が経つにつれて、少しずつフォロワーさんのサンシャイン以外の趣味が目に入ることも多くなりました。

みもりんや南條さんのライブ、くっすんやりっぴーのイベントなど、沢山の感想で日々タイムラインが賑わう中、ひときわ幸福感に包まれる呟きで溢れた日がありました。

 

それが2018年2月4日。

 

凄く良いライブだったってことだけが流れてくるけど、今日は誰のどんなイベントなんだろう?気になって調べてみると出てきました。

 

Aya Uchida VALENTINE'S ♡ LIVE ~Song for you~

 

内田彩さんでした。

 

ふと気になり、内田彩さんのライブ感想をいくつか読んでみました。

ページをまためくって / ~AYA UCHIDA LIVE2017「ICECREAM GIRL」に寄せて~ - きりんログ

サンシャイン!!感想ブログでお馴染みのきりんさんのライブレポート。

全く知らない曲しかないし、ソロアーティストとしての内田彩さんを知らないのに読了出来てしまうほどの熱量。伝わってくる愛と感動。

Aya Uchida VALENTINE'S ♡ LIVEに行ってきたよ☺︎ | サンシャインブログ

的確に端的に、しかしエモい事を言う(と僕の中で話題の)†ツイマリン†さんの、今回のイベント感想も読んでみる。

…は?代表曲全く歌っていない?

なのにファンはあんなに楽しそうだったの?

ツイマリンさんもめちゃくちゃ楽しそうだったし、もしかしてこれは…とんでもない輝きを見逃してきていたのではないか。

 

南ことり内田彩しか知らなかった僕には衝撃的でした。

 

興味が出てきて、Twitterで質問してみたりもしました。

するとこの曲いいよ!と何人かからリプが来たのですが、誰一人被らない。そんなに魅力的な楽曲しかないの?!やばい、ワクワクしてきた。レンタルショップへ急ぐ僕。しかし内田彩さんのアルバムは置いていないという非常事態。

どうしよう、全部聞きたい。でも収録アルバムがバラけすぎて全部買うのは今月厳しい。でもやっぱり聞きたい。

そんな時、お告げが降りてきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで買ってきました。

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見終わった時のドキドキと多幸感は、表す言葉が見つかりませんでした。

楽しそうに歌い、クールに歌い、可愛く歌う内田彩さん。曲調に合わせて雰囲気を変えることは皆さんやられますが、内田彩さんは歌詞の一つひとつへの感情の込め方、醸し出す雰囲気、声の出し方全てが別人のように変わるんです。

 

Daydream、ピンク・マゼンダで浮遊感漂う神秘的な印象を受けたと思ったらいざゆけ!ペガサス号での可愛さ全開のパフォーマンス。そしてキリステロではロックバンドを背負うボーカリストの顔になる。1曲ごとに世界が変わるんです。こんな人見たことない。

内田彩さんから目が離れなかったんです。

 

そんな時、心を鷲掴みにされた瞬間がありました。

それがGrowing Going。

ギターの東タカゴーさんと宮崎京一さんの横でタオルでエアギターしたあとの、笑顔の内田彩さんです。

あんなに心の底から笑う人を見たのは初めてでした。別にお涙頂戴の曲でもなければ、感動的なMCをした訳でもない。ただ楽しそうに歌う内田彩さんを見ていただけなのに、何故か目頭が熱くなってしまいました。

会場の皆に笑顔の花を咲かせてと言い続けた内田彩さんが、多分一番の笑顔だったと思います。

 

生で見たことは無いし、アーティストの内田彩さんを知ってまだ1週間経っていない僕が内田彩さんのことを語るのは「分かってない」と叩かれそうで正直怖いし、このブログも自分だけの中で留めておこうかなとも思いました。

そんな時Kiriさんのツイートを見て、やっぱり素敵なモノに出会った気持ちはカタチに残して発信しよう!と投稿しました。

この言葉のお陰で自分の気持ちをカタチに出来て、フォロワーの皆さんのお陰で内田彩さんを知れて、本当に感謝しかありません。

これからもマイペースではありますが、少しずつ内田彩さんのことを応援していきたいと思います。

内田彩ファンの皆さん、ご指導ご鞭撻よろしくお願いします!

 

これで今回のお話は終わりです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!