今回の♯5「犬を拾う」。
皆さんは♯5を見た後どのような感想を持ちましたか?
私は、何かよくわかんないけどすごく感動した! でした(語彙力の低下)。
語弊があるかもしれないので言い換えますと、
- 感動するポイントが多すぎたので、自分がどの部分に感動したのかが曖昧になっていた
- 知らない言葉が何点かあった為、初めて見終わった時はきちんとした感想を持てなかった
というのが正しいです。
途中で出てくるキーワードを知らない自分でさえ感動したので、アニメとしての完成度はとても高いものだったと思います。
しかし、きちんと整理したうえで感動を味わい尽くすことも大切だと思ったので、自分の中で♯5を整理して、感動した理由と♯5「犬を拾う」を見て思ったことを置いておこうと思います。こんな事思いながら見た奴もいたんだ程度に読んでいただけると幸いです。
今回は六つのトピックスを書いていきます。
各章短めです。
それでも全力を込めて書きました。
ぜひ最後まで読んでみてください。
- Aqoursと雨の関係。
-
待てば海路の日和あり ~海路と甘露の二重の意味合い~
- 梨子にとっての夜想曲。善子にとっての伝説の猟犬。
- 見えない力を、信じるが故の孤独感。
- 見えない力を、信じることから始めよう。
- 船出の時は今。
1.Aqoursと雨の関係。
♯5のはじまりは雨と物憂げな表情のルビィちゃんでした。天気の悪さは、不吉なことが起こる表現でよく使われますが、曜ちゃんは「入学希望者が50人を超えてきた」と言いました。
0から1へ増やすことに苦労した彼女たちでしたが、過半数の50人を超える方がAqoursの魅力に、そして浦の星女学院の魅力に気がついた事がただ単純に嬉しかったです。雨の不穏な空気の中、嬉しい事実を曜ちゃんが話した時、凄くAqoursらしいなと思いました。
Aqoursは、特に二期で雨と上手に付き合っている印象があります。♯2「雨の音」ではMY舞☆TONIGHTのヒントにしましたし、#3では学校説明会に向かって9人で走っている時に雨が降っていました。ラブライブ二期の大雪は対抗するべき仮想敵として描かれていましたが、Aqoursは雨を、虹を掛ける要因の一つとして受け入れ、雨に濡れながらも走り抜けました。
サンシャイン一期のテーマは個人的には「未熟DREAMER」だと思っていて、
— とっきー (@t_vuc) 2017年10月11日
みんなとなら無理したくなるけど、お互いに無理しないでね?と支え合って、まだまだ成長したい!と前を向いたのが1期だったと思いました。
ただ、嵐が来たら晴れるまで遊ぼうという歌詞は前向きで好きだけど、嵐を困難(廃校)と置き換えた時にちょっと後ろ向きかな?と。
— とっきー (@t_vuc) 2017年10月11日
μ'sの世界(成功が約束された世界)ならなら嵐とかかき消しそうだし(笑)
Aqoursは等身大の女の子が頑張る話で、だからこそ廃校なんてでかい困難をどうにかするには嵐が来たら晴れるまで遊んでるだけではダメで。
— とっきー (@t_vuc) 2017年10月11日
土砂降りでもずぶ濡れで走っていける覚悟があるか、心して二期を見ていきたい。
土砂降りではありませんでしたが、雨に濡れながらも9人で支えあって、学校説明会の会場まで駆け抜けたシーンが個人的に物凄く刺さりました。
Aqoursは雨という逆境の象徴の中でも輝けるんだ!と千歌ちゃんに言われたような感覚でした。
#3「虹」の千歌ちゃんの言葉
「私思うんだ。
奇跡を最初から起こそうなんて人、居ないと思う。
ただ一生懸命、夢中になって何かをしようとしている。
何とかしたい、何かを変えたい。
それだけのことかもしれない!
だから、起こせるよ奇跡!
私たちにも!
だって、虹がかかったもん!」
Aqoursがキセキを起こすためには、虹を掛ける必要があります。しかしどんなに太陽が照らしてくれても、雨が降らなければ虹は掛かりません。
ここで出てくるのが堕天使ヨハネなんです。
彼女の不運は、雨と共にあります。
私さ、小さいころからすっごい運が悪かったの。
外に出ればいつも雨に降られるし、転ぶし。
何しても自分だけうまくいかないし。
それで思ったの。きっと私が特別だから
見えない力がはたらいているんだって。
確かに善子にとって、雨は不運の象徴です。
しかし、Aqoursにとって雨は決して悪いことの前触れではなく、逆にこれから始まる快進撃の狼煙として描かれています。
津島善子は堕天使ヨハネにして、Aqoursにとっての勝利の女神なのかも知れませんね。
2.待てば海路の日和あり ~海路と甘露の二重の意味合い~
私が躓いたキーワードその1
鞠莉がホッカイロを果南に渡しながら放った素敵なギャグ
待てば海路の日和ありって言うしね♪
(くだらないギャグですが、鞠莉ちゃんが言うことで萌えに昇華されるの何なんでしょうか…好き…。)
果報は寝て待てと同じような意味合いかなと思い、視聴を続けましたが、気になったので調べてみました。
待てば海路の日和あり
元々は、「待てば甘露の日和あり」といっていた。
今は状況が悪くても、辛抱強く待っていれば、必ず、いいチャンスが巡ってくるということ。
海路=海の上で、船を進める為の通り道のこと。
日和=天気の事。天候がどんな状況なのかを示すことば。
「海路の日和」では、雨風のない、穏やかな天候。
「甘露の日和」では、恵みの雨が降っている状況を表す。
甘露=「かんろ」と読み、めでたい前兆として降る甘いつゆ、大地をうるおす恵みの雨。
海路の部分、昔は甘露と言っていたそうです。
何が面白いって海路と甘露、意味合いは同じなのに言葉の中の天気が晴れと雨で分かれているところ。言葉って面白い。
今は状況が悪くても、辛抱強く待っていれば、必ずいいチャンスが巡ってくる
これに関しては、未熟DREAMERの歌詞にも似たフレーズがありますね。
未熟DREAMERは三年生にとって大切な歌で、3年生そのものと言っても過言ではありません。だからこそ鞠莉は、この「待てば海路の日和あり」を使っただろうし
果南もダイヤも、
まぁ気持ちはわかるけど安全第一。
今日のところは終わりにしよう?
ではもう一度!と言いたいところですが…
と焦る二年生と対比するように、落ち着いたところを見せています。
しかし、「待てば甘露の日和あり」として見てみるとどうでしょう。
1.Aqoursと雨の関係で述べたように、雨を好意的に捉えた実にAqoursらしい意味合いになりませんか?そして、そう考えたら前回の♯4「ダイヤさんと呼ばないで」、そして今回の♯5「犬を拾う」は、ライブパートもなければ大きな困難が立ちはだかるわけでもない日常回ですが、 廃校の危機という状況に対抗するため「今は状況が悪くても、辛抱強く待っていれば」の部分に相当する準備の回、Aqoursの各メンバーが自身の悩みに向き合うお話なのではないでしょうか。
3.梨子にとっての夜想曲。善子にとっての伝説の猟犬。
善子が邂逅に運命を感じ、拾った犬。
付けた名前はライラプス。
犬を善子から預かった梨子。
与えた名前はノクターン。
はい、私が躓いたキーワードその2その3が立て続けに来ました。
この犬はどんな獲物でも決して逃がさないと運命に定められている。
夜想曲。ショパンは、夜想曲をより自由でロマンティックな楽曲へと発展させた。今日では夜想曲と言えばショパンの一連の作品が最もよく知られている。
ライラプスについても、ノクターンについても、私は詳しいことは知りません。
しかし、二人がつけた名前の意味をほんの少し調べてわかったこと、それは二人ともあんこのことを気に入りすぎ!!ということです。
善子が付けたライラプスという名前は、狙った獲物を絶対に捕まえる運命にある猟犬がもとだそうです。狙った獲物は逃がさない。絶対に捕まえる運命。善子が好きそうな言葉のオンパレードが由来の伝説の猟犬の名前をつけるなんて、それほどまでに気に入ったのでしょう。
続いて梨子が付けたノクターンという名前は、日本語で夜想曲というそうです。youtubeでノクターンを調べて聞いてみましたが、心地いいピアノに癒される素敵な曲でした。ショパン入門として弾かれることも多いそうです。
きっと梨子も弾いたことがあり、お気に入りの曲だったのではないでしょうか。その名前を付けてしまうほど、あんこのことを気に入っていたんだと思います。
それにしても、夜想曲。
とても素敵な字面ずら。
夜を想う曲ときいて、ふとよぎったシーンがあります。
それは、
梨子が音楽室で千歌に弾いた「海へ還るもの」。
あの瞬間は千歌、梨子の2人にとってかけがえのない時間だったと思います。
千歌を想う気持ち、梨子を思う気持ち、月夜に照らされる教室。
あの時弾いた「海へ還るもの」は梨子にとっての夜想曲だったのではないでしょうか。
そして、一期から描かれてきた犬への苦手意識がある中で、苦手だった犬に、そんな大切な名前を付けるまでに好きになれた事。
それは間違いなく梨子にとって運命の出会いだったのではないでしょうか。
4.見えない力を信じるが故の孤独感。
善子にとっての♯5、それは堕天使ヨハネという特別の根底にある見えない力、世間からは白い目で見られると本人もわかっている部分を、梨子に肯定してもらう物語でした。
クラスじゃ言わないようにしているし
善子も、見えない力があるんだと言い張ることは、世間的にもおかしいと分かってはいるんです。
それでも。
たとえ笑われるとしても、自分にとって大切なもので、譲れないものだから。
感じずにはいられなかった、ライラプスと出会えた運命だから。
しかし、ライラプスはヨハネの呼びかけに応じることはありませんでした。
やっぱり偶然だったようね。
この堕天使ヨハネに気づかないなんて。
また、上手くいかない。
諦めたような表情の中に、少しだけ寂しさのような感情が見えます。
善子が日々思っていた私が特別だから、私だけうまくいかないという気持ち。
自分だけ特別というとは、気持ちを分かってくれる人がいないということで。
善子には、強い孤独感があったのではないでしょうか。
その気持ちに寄り添うような梨子の言葉。
でも、見てくれた。
見えない力はあると思う。
善子ちゃんの中だけじゃなく、どんな人にも。
そうかな。
うん。
だから信じている限り、その力は
はたらいていると思うよ。
善子が感じていた、見えない不思議な力。
それは皆が持っていて、信じている限り、その力ははたらいている。
梨子が、善子を堕天使ごと肯定したことで
善子は孤独感から救われたのではないでしょうか。
善子のこの笑顔が、本当に大好きです。
5.見えない力を信じることから始めよう。
梨子にとっての♯5は、この言葉がすべてです。
私ね、もしかして、この世界に偶然ってないのかもって思ったの。
いろんな人が、いろんな思いを抱いて、その思いが見えない力になって引き寄せられて、運命のように出会う。
すべてに意味がある。
見えないだけできっと。
そう思えば素敵じゃない?
しいたけと目が合って、触れるかもしれないと思ったこと。
善子が拾った犬を、あんなにも好きになれたこと。
そして、見えない力を大切にする、可愛い後輩の気持ちを知れたこと。
全ては繋がっていて、
その後輩との会話が廻りまわって、
今度は自分に、一歩踏み出す勇気をくれた。
そう思えば…素敵ですよね。
6.最後に。
私が♯5で、全身に電流が走ったんじゃないかと思うくらい痺れたシーンで、今回の感想を閉じたいと思います。
甘露の日和は終わりを告げ、
ここから先は海路の日和。
船出の時は今、なのかもしれませんね。
次回の♯6「Aqours WAVE」
たとえ何が待ち構えていても、全てに意味があって。
全てを楽しみ尽くす彼女たちの輝く笑顔が見れることを願って、今回の感想を閉じさせていただきます。
では、また次回の感想で。