MELODYとLIKE IT!LOVE IT!が好きな理由を考えたら、優木せつ菜が好きだった。

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の3rdアルバムが過去一の素晴らしさ(異論は認める)なのだけれど、その中でも僕は優木せつ菜の『LIKE IT!LOVE IT!』が特に好きだ。

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爽やかなバンドサウンドと疾走感あるメロディ、フレッシュな熱さを持った歌詞の化学反応がどストライクなのだ。

思い返すと、2ndアルバムの中でもMELODYはトップクラスに好きだった。Love U my friendsも無限に好きだが、ソロ曲だとMELODYが好きだ。多分僕は優木せつ菜の歌に込められた想いや真っ直ぐさ、熱さが好きなのだと思う。

 

MELODY

MELODYの歌詞はポジティブでキラキラしている印象だけれど、その奥にはネガティブな気持ちや時間があったことが分かる。だからこそ、ポジティブな歌詞が輝いて聞こえるし、僕は胸が締め付けられるくらいに好きなのだと思う。

彼女の足元が揺らいでいたこと、それに不安を抱いていたこと、涙を流したこと、痛みを感じていたこと、向き合えなかったこと、真っ直ぐ伝えられなかったこと。

彼女は大好きの伝道師のように、とても輝く存在のように見える時があるけれど、多くの悩みを抱え、涙や痛みと付き合ってきた高校2年生で、だからこそ彼女の歌声にはある種の熱が宿るような気がしている。

『光が差し込んだ』ということは、それまで彼女の世界は暗かったということ。真っ暗闇に差し込む一筋の光は、光量は少なく弱いものかもしれないけれど、その先に輝く何かがあるという証明であり、走る足に力を込められる何よりの原動力なのだと思う。

CHASE!は"大事な気持ちを裏切っていた昨日までの日々"を抜け、"走り出したこの瞬間"の気持ちを叫んだ歌だけれど、MELODYはそんな過去を想いつつも、走り続けている歌だ。

つらい出来事があってもまた前を向けるのは、痛みが飛んでいくから。痛みが飛んでいくのは、笑顔が溢れてしまうから。溢れる笑顔の源にあるのは、心からの"好き"が彼女の中に満ちているから。

彼女は初志貫徹、好きを叫び続ける存在である。

LIKE IT!LOVE IT!

そんな彼女の最新曲『LIKE IT!LOVE IT!』。

もうタイトルからして好き度半端ない。叫びすぎでしょ。

LIKE IT!LOVE IT!の歌詞は、ひとつひとつの言葉が光の粒のように輝いて見える。多分、優木せつ菜の目に映る世界や想いを言葉に変換するのがとてつもなく上手いのだと思う。鈴木エレカさん、ありがとう。

真っ暗闇にいた彼女だからこそ、細い光の筋を追いかけたどり着いた世界は『彩り鮮やかな万華鏡』と例えてしまえるくらい最高に輝いて見えるのだとしたら、それはとても、とても素敵な事だ。

他人にとっての普通を、自分にとっての特別に変えてしまうのが"好き"という感情の本質だと思うから、やはりこれは優木せつ菜の言葉であり、感情であり、そこに嘘はないと信じきれてしまう。

そんなLIKE IT!LOVE IT!だが、テーマは当然変わらず"好き"について。そこはCHASEもMELODYも一貫していた。ではLIKE IT!LOVE IT!と以前の2曲との違いは何なのか。

僕は、この3曲は同じテーマの中で、誰に向けて歌っているか、誰のための歌か、という違いがあると思う。

CHASE!は自分の、MELODYは自分から空への歌だ。優木せつ菜にとっての空、僕は目標に近いなにか、現在地点の彼女にとっての"ゴール"のような何かだと思っている。言い換えるなら小さな夢の欠片だろうか。

だからMELODYでは空へ届け、届けと祈るように、叫ぶように歌っているのだと思っている。

LIKE IT!LOVE IT!にある『空の高さは自分次第で自由に変えていけるんだって気づいたのはキミのおかげだよ/もっともっとこの目で確かめたいんだ』というフレーズがあるのも、彼女の中でひとつの成長が感じられるようでとても嬉しく、楽しい。泣いてしまいそうになる。

LIKE IT!LOVE IT!は明確な"あなた"への歌だ。

あなたが好き!ではなく、あなたの好きを大切にして!という意味の、あなたへの歌。「ありのまま見せてよ君色」と対応させるならば、この曲こそがありのままの優木せつ菜の色だ。

CHASE!では『悩んだら君の手を握ろう』とあったが、LIKE IT!LOVE IT!では引っ張ってもらう為に手を伸ばすのではなく、彼女が引っ張る為に手を伸ばすのだ。

何があっても、彼女は好きの味方だ。

「無限大に広がる可能性を私が証明してみせるから」

「誰かが否定をしたとしても私は絶対味方だから」

「自分にしか描けない空だ!」

強く真っ直ぐな彼女の言葉に、思わず目頭が熱くなってしまうことがある。

彼女自身が"好き"を肯定されなかった真っ暗闇を知っているからこそ、彼女はあなたを"好き"で照らし続ける。

僕がLIKE IT!LOVE IT!で特に好きなのが2番のサビだ。

Ah, Like it! I like it!
響き合い重なるサウンド
その笑顔があまりにも眩しくて愛しい
I love it! I love it!
誰かが否定をしたとしても
私は絶対味方だから

僕は優木せつ菜の曲が好きだが、特に彼女の歌詞で綴られる、優木せつ菜の感性を通して見える世界の見え方が好きだ。

彼女のレンズを通すと、世界は好きでキラキラと輝いているから。

『彩り鮮やかな万華鏡/この世界があまりにも眩しくて愛しい』という2つのフレーズは正にその世界を不足なく表している素晴らしい歌詞だと思う。

けれど、そんなレンズを持つ彼女が『その笑顔があまりにも眩しくて愛しい』と歌う。

その笑顔をしているのは誰か。

それはあなただ。

あなたの笑顔が眩しいんだ。

あなたが眩しい笑顔を見せてしまうくらいの好きに溢れていることを、彼女は愛しく思うんだ。

この曲を聴いているうちに、そう思うようになった。

 

世界はそれほど綺麗ではないし、曲がった事だらけで、好きの気持ちだけでは上手くいかないことも多い。

そんなことは分かっている。

だけど、だからこそ、僕は好きの力を信じたいと思う。

僕に沢山の力をくれた高海千歌ちゃんが正にそうだったから。

優木せつ菜ちゃんを見ていると、涙が出そうになるくらい強くて、脆くて、純粋で、綺麗で、真っ直ぐだから。

そんな彼女を応援したいと心から思えてしまうから。

まだ分からないけど、僕は多分優木せつ菜が好きなんだと思う。