少女☆歌劇レヴュースタァライト-The LIVE- ♯2 Transition 感想など。

 少女☆歌劇レヴュースタァライト-The LIVE- ♯2 TransitionのLVに参加してきました。

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 少女☆歌劇 レヴュースタァライトはアニメとミュージカルで展開していくプロジェクトである。

 アニメを一気見して、それがめちゃめちゃ面白くて、ライブ行ってみるかーくらいの気分だった僕は、それくらいの情報しか知らなかったです。

 だけど、前情報を知らない不安は、そんなの関係ないくらいの熱量でぶっ飛ばされました。

 もう予想以上の想像以上。そもそもお恥ずかしい話、僕は生のミュージカルを修学旅行の『ライオンキング』くらいしか見たことが無いし、もうその記憶もない。最近だと伊波杏樹さんの『BASTIDORES-楽屋-』のDVDを見たくらい。

 スタァライトは舞台の♯1も見ていないので、内容分かるかなという不安と、めちゃくちゃ失礼なんですが、キャストの人が取り返しのつかないミスとかしたらどうなってしまうんだろう…という不安があって、心臓はいい意味と悪い意味の両方で高鳴っていたと思います。

 

 そんなこんなで席について十分くらい経った頃、舞台は始まりました。

 

歓迎と宣戦布告の開幕?!

 舞台の幕が上がった最初のシーンの始まりは第100回の戯曲スタァライト。アニメの地続きですよって言われた気がして鳥肌が総立ちでした。アニメから入って、舞台に初めて触れる僕のような客層に対して「ようこそ」と言っているような、「アニメの次は舞台のスタァライトを刮目して見ろ」と宣戦布告しているような、そんなメッセージのようなものを感じました。

 

ちゃんと舞台少女だった。

 センターのステージの上に立って、一人ひとりがライトを浴び、バックのキャラのイラストの前で歌い踊る自己紹介も心が躍りました。感じた興奮はライブの開幕を知らせるMain theme of LoveLive! SunShine!!のようで、だけど壮大というよりはもう少し『身近』に感じるものだったのが印象的でした。

 手の届かない『アイドル』のAqours*1のようではなく、とある音楽学校に通う、未熟だけど煌めきに向かって頑張る『舞台少女』が、目の前にいると自然に思えたのが、きっと凄く嬉しかったんだと思います。

 アニメでも思っていた事ですが、広大な地下空間でのバトルって最強に非現実的なのに、その戦いに身を置くキャラクターたちはちゃんと寮に暮らして、徒歩なりバイクなりで通学・登校する普通の女の子なんですよね。

 ギャップを作るため、メリハリをつけるためのものって言われたらそれまでなのですが、僕は非現実の中に身を置く人たちの日常の表情を見るのが凄く好きなので、その感覚と近しいものを星見純那ちゃんの踊り、歌から感じてすごく高まってしまったんだと思います。

 

星見純那役の佐藤日向

 B組の生き生きとした日常、青嵐という他校の存在、燃え尽きたかのような華恋。アニメの続きとしても違和感のない内容は、するすると頭に入っていきました。キャラか人か。二次元か三次元か。僕はその辺の違和感に少しでも引っかかると「うーん…」となってしまうのですが、制服姿の佐藤日向さんがコメディな雰囲気で誰もいない集合場所にムキーッってなる感じから、ちゃんと星見純那ちゃんを感じてしまったんですね。

 人を「○○な人」って言い切るのは凄く難しいと思っていて、たとえば『怖い人』じゃなくて『怖い一面を持っている人』と言った様に、僕が見ているのは沢山の面のひとつなんじゃないかな、とか思っているんです。

 まだまだアニメの理解なんてできてないですが、純那ちゃんは真面目な面や世話焼きな面、すこしおっちょこちょいな面、そして舞台が心から大好きな面のように、沢山の一面や感情があると思っていて、アニメの星見純那ちゃんよりも明らかにオーバーなリアクションを取ったりしていても、それもすごく純那ちゃんっぽくて。

 佐藤日向さんはそんな沢山の一面を全部自分の中に落とし込んで、『役』になり切っているんだな、なんて思って泣きそうになりました。

 

緻密さと迫力が光る殺陣

 アニメ同様、舞台でも最大の見せ場と言っていい殺陣ですが、予想以上の想像以上でした。殺陣はヒーローショーのような感じかなと思っていたのですが、舞台上の人数の多さとステージの狭さから、この数分の殺陣は『緻密に組まれた団体行動』のような、ひとつの作品なんだなと思う自分と、「あー!危ない涼ちゃ…まひるちゃん間に合った!!良かった!!いけえええ華恋ちゃあああああん!!!!!!!」と心のままに楽しむ自分の二人がいました。

 

舞台装置の息遣い

 またアニメではより想いが強い方、より煌めきの強い方の世界に舞台装置が呼応して塗り変えていくような感覚でしたが、実際の舞台でもそれを感じてしまったんですよね。

 事実としてあるのは青嵐無双に合わせて舞台セットを青嵐ムードにしたり、聖翔の反撃が始まると青嵐の演出を少しずつ弱めていったりと、舞台演出さんたちの力で舞台は動いています。ですが、アニメの刷り込みのお陰か、『舞台少女の煌めきに呼応して舞台の演出が変わっていく』ように見えてしまいました。

 

アニメ⇔舞台の相乗効果

 ほかにもアタシ再生産のシーンが入った時の否応なしに高まってしまう感覚、ki-ringtoneが鳴った瞬間の『ついに始まるのか』という絶望感8割とワクワク感2割ほどの胸の高鳴りなどなど、舞台の強み、アニメの強みをこれでもかというほど使っていて、相乗効果でより高い魅力に仕上げているのにとても痺れました。

 舞台からアニメへどのように落とし込むか。アニメから舞台へどのように還元するか。同じプロジェクトを支える仲間同士でホンキをぶつけ合っているのが伝わってきて、切磋琢磨している制作陣も皆、レヴューに参加する舞台少女の一人なんだなと感じました。舞台おじさんだろというツッコミはなしでお願いします。

 

三者三様のライブパート

 ライブパートで特に目を引いたのは石動双葉役の生田輝さんと星見純那役の佐藤日向さん、天堂真矢役の富田麻帆さんでした。

 輝さんは舞台からそのまま、ずっとかっこよくて。双葉として歌っている印象が強かったです。もちろん今回が初めてのライブパートなので完全に僕の主観ですが、宝塚の男役のような、美しさの中の凛々しさが、僕の目線を奪っていたように思います。

 続いて日向さんですが、彼女は星見純那として歌っている中で楽しさの上限を超えた瞬間でしょうか、満面の笑顔で「いやこれ完全にひなひなやんw」となる時がありました。僕はこの楽しくて仕方がない!!!というような、思わず綻んでしまう笑顔が大大大好きなので、「やっぱりひなひななんだよなああああああああ」って心の中で叫んでました。純那ちゃんの中から、我慢しきれなくてひょっこりひなひなが顔を出す瞬間。その一瞬が見たくて、気がついたら目で追っていました。

 最後に富田さんですが、彼女は天堂真矢として演じるときのクールな表情と、大きく口を開けて笑う表情とでオンオフがはっきりしている印象でした。上限振り切ってひょっこりでてくるひなひなと違い、富田さんは自分の感情の解放の仕方がとても上手だなと思いました。かっこよさで楽曲をピリッと引き締めていて「めっちゃかっけぇじゃん…」と思った矢先、明るい曲調ではにっこにこの笑顔で可愛く歌いだすギャップに、目が離せませんでした。

 総括:目が足りない。Blu-ray化お願いします…。

 

お持ちなさい、あなたの望んだその星を。

 最後の挨拶での、氷雨役の門山さんの涙のシーンは、なんとなくですがちょっと分かる気がしました。

 僕の感覚ですが、自分の中にある心、感情ってすごく漠然としてして、揺れる火のように確かに存在してるんだけど、その形ははっきりとわかっていない、みたいな感じなんです。だけど、改めて言葉として思い出や気持ちにカタチをつけると、自分で考えた言葉で、発した声で、如何に自分が過ごしてきた時間が大切で、掛け替えが無くて、愛おしいか再確認できてしまう。言葉を発し始めて、一緒に涙が出てきたあの瞬間は、門山さんにとって嘘偽りのない、演技を超えた生の感情だったんだなと思います。

 そして、涙を流せるほどの素敵な時間を過ごせたのなら、彼女はまた「そこ」を、そして「そこ以上」を目指して頑張れるんじゃないかな、と思います。

 もちろん九九組の皆もね!

 

 お持ちなさい、あなたの望んだその星を。

 

 アニメでは奪い合うためのベット用コイン(掛け金)のように感じてしまいがちになっていた『星』でしたが、本当にやりたい事に燃えるキラキラとした情熱なんだよなって改めて再確認できました。

 

焦がすほど熱い星になれ!

心にはトリックはいらない

ありのままでいい

照らされ映し出された"きらめき"だから

嘘は見せたくない

The stage is my life!

(引用:99ILLUSION! - スタァライト99組,中村彼方)

 

 体の動きから、歌声から、汗から、涙から、『舞台が大好きだ!!!』というきらめきを放ち続けた氷雨ちゃんと門山さんをはじめとした青嵐の皆さん、そして99組の皆さんに想いを馳せつつ、大好きな歌詞を最後に添えて今回の感想を終わりたいと思います。

 

 ここまで読んできただきありがとうございました。

 

 今度は、生で見たいですね。

 

 

*1:スクールアイドルとしての二次元のAqoursではなく、三次元のアイドルとしてのAqours