皆さんこんにちは、とっきーです。
今回は『Detroit:Become Human』というゲームのレビューをしたいと思います。
このゲームにどっぷりとハマり、一気に一周目を終えた私が思う『このゲームの面白さ』が少しでも伝わればなと思います。なお、現在絶賛二周目をプレイ中です!
選択肢の多さが『あなただけの物語』を作る!
さて、このゲームの一番の特徴は『オープンシナリオ方式』でしょう。
今までプレイしてきた中で一番選択肢が多かったゲームでした。
選択肢は気が遠くなる程で、その選択ひとつで命を落とすかもしれない。大切な誰かが死ぬかもしれない。逆に大切な人を救う一手になるかもしれない。選択肢は希望と絶望で溢れています。
だからこそ、私達プレイヤーは考える。
この選択肢は明るい未来に繋がっているのか?
ここは大人しくするべきなのでは。
いや、ここは大きく動かないと。
私達が操作するのは『アンドロイド』です。しかし、彼ら、彼女らの未来を考えている時、私は確かにあの空間、あの状況の中を生きていました。
私が選んだ選択肢の通りに物語は動きます。ということは、あの世界の主人公は『紛れも無い私』で、あの世界で起こることは『私に起こり得たかもしれないifの世界』なのです。
自分でプレイした後、ゲーム実況者のプレイ動画を見ました。
私とはまるで違う世界をプレイするその動画はとても眩しく、とても幸せそうで、けれど『なにか違う』感覚がありました。
当然です。
それはその人の世界であって、私が悩んで、痛みを負って、必死に掴み取ってきた世界ではないのだから。
だからこそ、例えハッピーエンドとは言えない結末だったとしても、私は『わたしだけの物語』が一番好きです。
時を戻して選択肢をやり直そうとも思いません。
辛い現実だったけれど、私の物語を一緒に駆け抜けた主人公たちの頑張りを、私は胸を張って抱きしめ続けます。
様々な視点から見えてくる『あなただけの価値観』
このゲームの二つ目の特徴、それは主人公が三人いるところです。
際限なく発生するアンドロイドによる傷害、殺人事件の解決のため導入された、最新鋭の性能を持ったアンドロイド捜査官のコナー。
人間のアンドロイドに対する不当な扱い、理不尽な暴力から革命を起こそうとするマーカス。
例え機械だったとしても、家族を守ろうと立ち上がったカーラ。
このゲームの凄いところは、『考え方や視点が違う主人公三人』を群像劇のように操作するのに、それぞれに感情移入できるところです。
一人目の主人公、コナーはアンドロイドなのに同族を狩る側です。
上官の期待を裏切りたくない。相棒と事件を解決したい。
しかし、自分と同じアンドロイドを狩り続けることは本当に自分がするべきことなのか。悩み、考え、答えを出す。その答えはプレイヤーの数だけあります。
是非、あなただけが見つけることができる答えをコナーと探してみてください。
二人目の主人公、マーカスは革命の主導者です。
自由を、権利を、尊厳を求めてアンドロイドたちを導きます。
この文章だけでは、彼の進む道は王道、もしくは覇道のように思う方がいるかもしれません。しかし、彼が進む道はきらびやかなものではないのです。
彼は一番多くの辛い選択を迫られるでしょう。
求めるものは『自由』と『権利』という理想。
しかし、その理想を手に入れるためには多くの困難と悲しみが待ち受ける。
じゃあ対抗するための手段は?
仲間を守るための暴力ですか。
仲間を犠牲にして伝える言葉ですか。
私は本当に悩み、答えを出しました。
皆さんの出した答えも、いつか聞いてみたいですね。
三人目の主人公、カーラは愛する人を守ろうとするアンドロイドです。
コナーは『自分は何者で、何をするべきか』を探し、マーカスは『アンドロイドの未来』を求めます。彼らの考えや境遇、大切にしている想いを誰よりも近くで見ていくことになるプレイヤーは、彼らに感情移入せざるを得ません。
しかし、おそらく三人の中で誰よりも感情移入してプレイすることになるのはこのカーラでしょう。
彼女は家事を手伝っていた家の少女、アリスと行動を共にします。
『血のつながりはなくとも、一緒に暮らす家族になりたい』。
ただそれだけの事を求めた彼女に、なぜこんなにも沢山の困難が降りかかるのか。どうして、家族になりたい二人を引き裂くように世界が動くのか。
私はコントローラーを握りながら、作中の世界を憎んだりもしました。
それほど、この世界をリアルに感じたんです。
私はカーラの未来を幸せで溢れるものにしたかった。
心からの笑顔を咲かせたかった。
けれど、私にはできませんでした。
今二周目をプレイしている一番の理由は、『カーラを笑顔にしたい』。
ただそれだけの気持ちです。
主人公たちの為の世界ではなく、世界の中を生きる主人公たち
何を当然のことを、と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、これがかなり大切なのです。
このゲームは『没入感』がカギとなるゲームです。
アンドロイドを操作するプレイヤーという立場から、少しずつ同調していき、最後には自分がコナーに、マーカスに、カーラになっていると錯覚するほど。
だからこそ選択肢に重みが出ますし、選択の先の未来に一喜一憂する。
では、その没入感を支えるものは何か。
それは『世界観』です。
私達は世界を歩き続ける中で沢山の出会いがあります。
アンドロイドに友好的な人。
アンドロイドを心底毛嫌いする人。
何を考えているか分からない人。
そしてもう一つ大きいのが『雑誌』です。
いたるところに置かれている雑誌は、ぜひとも目を通していただきたい。
アンドロイド社会ゆえのニュースで溢れています。
アメリカとロシアが北極の資源を求めてアンドロイドの探索隊を派遣しただとか、太陽系の衛星に微生物程度の生命体が見つかって、それらを調査するためにアンドロイドが作られているとか。
正直な話、コナー、マーカス、カーラの物語には全くと言っていいほど関係ないものばかり。
しかし、それらが重要なのです。
自分が動いている世界のどこかで、多くの善意、悪意、思考が渦巻いていて、その激動する社会の渦の中にちっぽけな自分がいて、自分なりに抗い続ける。
彼らの為の世界じゃない。
大きな世界の中に、彼らがいる。
たったそれだけの事を念頭に置くだけで、このゲームはどの映画よりも、ゲームよりも、リアルになるのです。
より楽しむためのアドバイス
ざっくりとしたゲームの世界観、あらすじを書いてきました。
少しは興味が出てきましたでしょうか?
もしそうなら凄く嬉しいです。
さて、ここではわたしから少しだけアドバイスをしたいと思います。
このゲームは、基本的にゲームオーバーはありません。
失敗したら失敗したなりの物語が続きます。
痛みを感じる未来になるかもしれない、大切な人を失うかもしれない。
もしかしたら、主人公が死んでしまうかもしれない。
けれど、物語は続いていく。
だからこそ、失敗を怖れないでほしいのです。
ゲームをクリアしようなどと思わないでほしいのです。
あなたが同じ立場になった時、どんな選択肢を選ぶのか。
自分の価値観、思考を信じてほしい。
「いや、人間とアンドロイドなら人間の方が大切だろ」と思うのであればそれでかまいませんし、「何とかして幸せにしたい」と思うのであれば、その気持ちを信じてほしい。
とにかく、
初めてのプレイは、自分の気持ちを信じてプレイしてほしいのです。
このゲームをプレイして、私は
家族ってなんだろうと思いました。
自分ってなんだろうと思いました。
何を大切にして生きているんだろうと思いました。
主人公、アンドロイドなんですよ。
しかし、今の私は、自分の人生について思いを馳せています。
Detroit:Become Human
このタイトルが名付けられた理由はきっと、プレイした後なら分かる気がします。
では、デトロイトで会いましょう!