#6「AqoursWAVE」感想

スクールアイドルを通してわかったこと

衣装は作れない。作曲もできない。

スクールアイドルにとって重要な、この二つができない。それでも輝きたいと不安ながら一歩踏み出した千歌。

今は周りに助けてくれる仲間が8人。そのまわりには浦の星女学院の生徒。そして内浦の皆。

千歌を中心に、同心円状に彼女を包み込む支える力。千歌はその中心にいます。 

今はみんなの中心で笑う千歌ですが、全ては身の程知らずな最初の一歩が始まりでした。

今でこそ諦めずに前を向く千歌ですが、昔は色々なことを諦めてきた過去があるのではないかと思うのです。

一期#13「サンシャイン!!」での千歌の母の言葉

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今度は…やめない?

 に対して、千歌は力強く

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うん、やめないよ。

と言いました。

千歌の母の「今度は」という言葉。そして曜ちゃんの「中途半端が嫌なんですよ」という言葉。

きっと千歌は色々な事に挑戦はしてきたけれど、自分が本気になれるものでない時は諦めてきたのではないでしょうか。

そして見つけた本当にやりたいこと。

スクールアイドルという輝き。

その事を踏まえた上で、

出来るかどうかじゃない、やりたいかどうかだよ!

 を思い出してみてください。

もしかしたら、誰よりもこの言葉が必要だったのは、スクールアイドルへの一歩を踏み出す前の千歌だったのかもしれません。

そして、誰に言われるでもなく自分で考えて、心のままに駆け出した千歌。

千歌本人がやりたいことに一直線に飛び込んだことで、千歌の言葉は薄っぺらいただの言葉ではなく、確かな事実として花丸の心に届いたんだと思います。

しかし、心からやりたかったことに全力で飛び込んだ千歌でしたが、結果は0。

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千歌ちゃん…やめる?

曜の一言。

幼馴染みで、千歌のことを誰よりもわかっている曜が少し不安げに語りかけます。

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一つの事を逃げずにやり切ったことの無い千歌が初めてぶつかった大きな壁。

逃げ出すのか。

投げ出すのか。

千歌の母は、我が子の答えを会場の誰よりも真剣に聞きます。

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悔しい…

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千歌から諦めるという言葉が出なかっただけでなく、悔しいという言葉が出たことに驚いた千歌の母。

千歌はスクールアイドルの活動を通して、母親が思っていた以上の速さで成長していることがわかります。

スクールアイドルを通して、千歌は本当にやりたいことから逃げ出すことは、心に消えないしこりが残り、いつまでも苦しいままだとわかったのかもしれません。

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二期では「それまで…泣かない!」と言い、♯6現在でも泣いていない千歌ですが、一期ではたくさんの涙を見せています。

うれし涙、悔し涙、たくさん流した涙ですが、私は、千歌は悔し涙のイメージが強く残っています。一期♯8「くやしくないの?」でのシーンで千歌の本心が聞けた事が印象深かったからです。

 私何も見えてないんだっ…て。

先にあるものが何なのか。

このまま続けても0のままなのか、

それとも1になるのか。

10になるのか。

ここでやめたら全部わからないままだって。

だから私は続けるよ?スクールアイドル!

だってまだ0だもん!

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頑張って頑張って、皆にいい歌聞いてほしい!って

スクールアイドルとして輝きたい!って!

なのに0だったんだよ!?

悔しいじゃん!!

差が凄いあるとか、昔とは違うとか、

そんなのどうでもいい!!

悔しい!

やっぱり私、悔しいんだよ…。

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東京でのライブは僅差ではなく、惨敗。

ここまでの差を見せつけられたら普通は周りの目に怖くなったり、みじめな自分が恥ずかしくなったりすると思うんです。

私だったら逃げ出してしまうと思います。

実力の違いをまざまざと見せつけられた時に流したこの千歌の涙と悔しいと言える心の強さ。本当に悔しい時、また立ち上がれる人はすごく強い人だと思います。

弱音を吐く自分に負けたくないから。

無様に汗だくになるまで走ってもいいから。

悩んだ時も、転んだ時も、助走だったと言い張りたいから諦めない。

千歌ちゃんはそういう子かな、と私は思います。

二期では、強がりだった彼女の想いが、いつの日か本当の強さに変わることを心から願っています。

あの日置いてきたものを取り戻す物語

♯6では、果南の迷いがたくさん描かれていました。

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懐かしい。まだ持ってたんだそれ。

まさか、やるなんて言うんじゃないよね?

まさか、やらないとか言うんじゃないよね?

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私、あの頃の気持ちと変わってないよ。

鞠莉…。

今回も私は鞠莉さんに賛成ですわ。

学校の存続の為に、やれることはすべてやる。

それが生徒会長としての義務だと思っていますので。

それにこれが、ラストチャンスですわ。 

3年生の意識の違い、それは鞠莉の怪我にありました。

果南が考案したダンスフォーメーション。それは難易度の高いもので、最初のAqoursラブライブに勝ち上がるために作り上げたもの。

しかし、果南のレベルに追いつこうと無理をしてしまった鞠莉は足を怪我してしまう。東京でパフォーマンスをすることなく内浦へ戻り、そして3人はそのまま離ればなれに。

果南は相当自分を責めたのではないでしょうか。

それこそ、大好きなスクールアイドルの誘いを、もう一度輝けるチャンスを「やらない」で一蹴するほど。

その後、9人のAqoursでの活動が始まり、もう一度そのダンスアイディアができるチャンスがやってきました。それもまた、果南は否定します。しかし、果南の心の奥底ではこのフォーメーションをやりたいという欲がかすかに顔を出しています。 

アイディアノートを常に大切に持ち歩いていたり、破り捨てても、燃やしてもいいのに海に投げ入れるなんて中途半端に距離を取ろうとしたり。

鞠莉はそんな果南を見ていられなかったのでしょうか。鞠莉は、果南がノートを投げた瞬間には海へ飛び込んでいます。

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ノートは果南の願いの象徴です。

果南の願いは絶対に捨てさせないという信念、そして果南が投げることを分かっていての反応速度だと思い、ここでも二人の絆の強さを感じました。

そしてダイヤの言葉は素直になれない果南の為に、このフォーメーションをやるしかないと誘導しているようにも聞こえますし、ダイヤの本心のようにも聞こえます。きっとその両方だったのではないでしょうか。

その翌日、千歌から似たような悩みが。

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私たちだけの道を歩くってどういうことだろう。

私たちの輝きって何だろう。

それを見つけることが大切なんだって

ラブライブに出てわかったのに…

それが何なのか、まだ言葉にできない。

まだ形になってない。

だから、形にしたい。

何もないところを全力で走ったμ'sの輝き。

μ'sを近くで見てきた人たちにとって、それは歩んだ軌跡で。

一歩一歩を夢中で楽しんだからこそ、その足跡は輝く確かな光になりました。

でもそれは、遠く離れた内浦の地からでは足跡なんかに見えなくて。

Aqoursが遠くから見たそれは奇跡の輝きに見える、確かな形を持った光で。

μ'sの背中を追うわけではない。

けれど、自分たちの輝き、自分たちの道を確かな形にしないとラブライブでは勝てない。

だから千歌は皆に形にしたい、と言ったのではないでしょうか。

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このタイミングでこんな話が出るなんて運命ですわ!

あれ、話しますわね? 

 ♯5で語られてきた偶然と運命の定義。

三年が悩んでいた時、千歌もまた悩んでいて、

そしてその答えは一つに収束している。

これを運命と言わずに何というのか。

しかし、果南はまだ否定します。

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あの時は私だったけど、千歌にそれができるの?

大丈夫、やるよ?私。

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今そこまでしてやる意味があるの?

なんで?果南ちゃん、今そこまでしないでいつするの?

最初に約束したよね?精一杯足掻こうよ!ラブライブはすぐそこなんだよ?

今こそ足掻いて、やれることは全部やりたいんだよ! 

出来るかどうかじゃない、やりたいかどうかだよ!とメンバーの背中を押してきた千歌。その千歌が、自分でやると言い切り、果南を見つめます。

千歌にとって、果南はいつも前を歩いていて、こっちだよ!と千歌の道を照らす灯台のような人。その果南が後ろ向きになって一歩踏み出せないでいる。本当は、果南があのフォーメーションを一番踊りたいはずなのに。

それを知ってか知らずか、千歌は髪入れずに強い言葉でやる!と言いました。

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一期♯9「未熟DREAMER」の幼少期の思い出と立場が変わった瞬間でしたね。

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これは千歌が成長したのか。

果南が弱っていたのか。

私は両方だったと思います。

果南ちゃんがつらい時、今度は千歌が引っ張る番だよ!と聞こえてきそうでした(千歌推しの幻聴)。

そして、セリフを見てもらうと分かりますが

この時の千歌と夜の三年生三人の時のダイヤのセリフは同じことを言っています。

学校の存続の為に、やれることはすべてやる。

 今こそ足掻いて、やれることは全部やりたいんだよ!

これは私の考えですが、ラブライブの世界は一人の無茶は失敗の兆候、仲間と共有する無茶は快進撃のはじまりだと思ってます。

私はアニメを見ていて、千歌のこのセリフを聞いた時、何か大きなことが始まる予感と、それが成功する確信を感じました。

そして半ば強引に始まる大技の練習。

運動神経が特段良いわけではない千歌が、ポテンシャルの高い果南と同じ振り付けをする。それはとても大変なことで。千歌には負担が大きいことはAqours全員分かっていて、だからこそメンバー同士で支えあい、諦めずに挑戦し続けました。

大技の練習、千歌は何度も転びました。何度も何度も失敗して、自分への悔しさがこみ上げてきます。そして、自分の無力さも。

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私ね、一番最初にここで歌ったときに思ったの。

皆がいなければ何もできなかったって。

地区大会の時も、この前の予備予選の時も。

皆が一緒だったから頑張れた。

学校の皆にも、町の人たちにも助けてもらって、

だから、一つくらい恩返しがしたい。 

 千歌は、今までのAqoursの活動、結果はすべて皆の協力のお陰だと思っています。

それは確かに間違いではありません。

(正解でもありませんが…。)

そして、周りに支えられて、助けてもらっているからこそ今回は私の手で頑張りたい。 そんな気持ちで大技の練習に励みます。

しかし、 Aqours8人の事を信じる彼女は自分の力を信じていなかった。

いや、自分が普通怪獣だと信じ込んでいた、が正しいでしょうか。  

本当はすごい力を持っているのに、自分の力に蓋をして、一歩引いて輝きを眺めている女の子。

そんな千歌が今自分の殻を壊し、本当の自分になろうと足掻きます。

しかし、自分の力を信じ切れていないため失敗続き。

それでも挑戦を続けて、何度も転んで、砂まみれになって。

千歌はついに地面に倒れ込みます。

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限界が近く、千歌がくじけそうになった時、どんな時もずっと隣で支えてくれた二人が、千歌にそっと言葉を投げかけます。

千歌ゃん!

焦らないで?力を抜いて、練習通りに。

できるよ、絶対できる!

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練習で一度も成功していないのに、練習通り?と思いましたが、梨子は千歌の本当の力を分かっていたのではないでしょうか。千歌の本当の力ならできる、と。

そして梨子自身、ピアノのコンクールで賞をもらうほどの実力を持っています。ピアノは運やまぐれで上手くなることはありません。

梨子は、本番で練習通りを如何に発揮できるかを競ってきた人だと思います。だからこその練習通りになのではないでしょうか。

そして曜の言葉。

一期ではやめる? と聞き、千歌が燃えるように優しく煽っていた彼女。そんな曜ができるよ、絶対できると力強く肯定しました。千歌にとってこんなに心強く、頼もしく、そして嬉しい言葉はないのではないでしょうか。

すべて私の妄想ですが、二年生尊い

千歌ちゃーん!頑張ってー!

頑張るずらー! 

さらに一年生も応援に駆けつけます。

しかし、まだ失敗。

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なんでだろ、なんでできないんだろ。

梨子ちゃんも、曜ちゃんも、

みんなこんなに応援してくれているのに…。

やだ、いやだよ!

私、何もしてないのに!何もできてないのに!

悔しくて、悔しくて。

千歌は腕で目を隠しました。

泣くのを我慢しているかはわかりませんが、千歌にとって限界が近いことは確か。 

そんな時。

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ピー!どっかーん!

ズビビビビビビー!

普通怪獣ヨーソローだぞー!

おおっと好きにはさせぬ!りこっぴーもいるぞー?

なぬ?ずどどどどどー!

がおー!

 なんとも可愛らしい、二人の普通怪獣が姿を現します。

まだ自分は普通だって思ってる?

え?

普通怪獣ちかちーで、リーダーなのにみんなに助けられて。

ここまで来たのに、自分は何もできてないって。

ちがう?

だって…そうでしょ? 

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千歌ちゃん、今こうしてられるのは、誰のお陰?

それは学校の皆でしょ?町の人たちに、曜ちゃん、梨子ちゃん…

それに…

一番大切な人を忘れてませんかー?

なに?

今のAqoursができたのは、誰のお陰?

最初にやろうといったのは誰?

それは…

千歌ちゃんがいたから、私はスクールアイドルを始めた。

私もそう。皆だってそう。

他の誰でも、今のAqoursは作れなかった。

千歌ちゃんがいたから、今があるんだよ? 

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私もアニメを見ていて、いつも千歌ちゃんに思っていました。

千歌ちゃんはもう充分、ちゃんとすごいよ!

だから自分に自信をもって!って。

でも、私の言葉は当然アニメの中には届きません。 

その私が思っていた事全てを、曜と梨子が言ってくれました。

同じ世界の、一番近くで千歌を見てきた二人だからこそ、千歌の心に届く言葉をかけることができたのではないでしょうか。 

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自分の事を普通だと思っている人が、諦めずに挑み続ける。

それができるってすごいことよ?

凄い勇気が必要だと思う!

そんな千歌ちゃんだから、皆頑張ろうって思える!

Aqoursをやってみようって思えたんだよ?

恩返しだなんて思わないで?

皆ワクワクしてるんだよ?

千歌ちゃんと一緒に、自分たちだけの輝きを見つけられるのを。

普通怪獣ちかちーが、諦めずに挑み続けるためにはすごい勇気が必要で。

その勇気は、千歌ちゃんの胸の中にずっとあった。

しかし、挑むための勇気は持っていた千歌ですが、大技を成功させるためには自分の力を信じなければなりません。千歌の本当の力は、宝箱の中に大事に仕舞われ、普通怪獣という鍵がかかったまま。

千歌一人では開けられなかったんです。

その鍵を持っているのは、千歌が魅力と個性を肯定して、背中を押した事で加入してくれたAqours5人。

今度はその5人が千歌の背中を押す番でした。 

千歌がバク転を決めてくれる。そう信じ、残りのAqours8人は波を表現した難易度の高い振り付け「ドルフィン」の練習を止めなかった。

絆創膏や湿布、頬についた土の数が、千歌への信頼を裏付けていますね。

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それを見た千歌の目から、迷いと暗さが消えました。 

そして、最初のAqoursだった三人。

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新たなAqoursのWAVEだね!

千歌!時間だよ!

準備はいい?

三年生がやりたいと心から願っていたフォーメーション。

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千歌が走り続けることをやめなかったひたむきな努力、周りからの肯定が実を結んだことで、その願いはついに叶うこととなります。 f:id:tsktktk:20171116000900p:image

ありがとう、千歌! 

一期#13「サンシャイン!!」での3年生のやり取りを思い出してみてください。

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あの時置いてきたものを、もう一度取り戻そう。

そう果南は言いました。

確かにMIRAI TICKETで、パフォーマンス出来なかったあの時の気持ちは回収することが出来たかも知れません。でも本当は、3年生3人は、

果南の考えたダンスフォーメーションアイディアを踊りたかったのではないでしょうか。 

一期♯9で鞠莉の背中を押したダイヤ。

二期♯4でダイヤの背中を押した鞠莉と果南。

今のAqoursにアイディアを提案したダイヤ、果南の夢を捨てさせなかった鞠莉が、今度は果南の背中を押す番でした。

今回の二期#6「AqoursWAVE」こそが、3年生にとってのあの日置いてきたものを取り戻す物語だったのかなと思いました。 

今、船出の時

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 Aqoursの未来を照らすような朝日が昇ります。

太陽の光。

その光輪はまるで虹のように七色に光り、これからのAqoursの船出を祝福するようです。

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不安な表情をするメンバーは、もう誰一人いませんでした。

果南は迷う気持ちに別れを告げ、千歌は自分の本当の力を信じ、今出発の時。

 そして始まるMIRACLE WAVE。

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じれったい自分。

これは自分の心と悩み続けた果南でしょうか。

それとも、普通怪獣だと自分を過小評価していた千歌でしょうか。

悔しさに涙したあの時、何も言わなくても集まった皆。

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きっと千歌の悔しさが痛いほど分かるから、集まれたのでしょうか。

そして、

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自らの手でやりきる事を望んだ千歌は、本番のステージで見事に成功。

心が求める誇らしさを掴んだ瞬間でしたね。

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果南のこの涙には、いったいどれだけの感情が含まれていたのでしょうか。きっと今までの時間の積み重ねの分、沢山の感情が入り交じった涙なのかなと思いました。

そして、できるの?と言った果南に即断で出来る!と言った千歌ですが、なぜあの時はまだ普通怪獣の千歌がそんなことを言えたのか。

それは、確かな輝きの形が欲しかったから。

あの大技を、あの砂浜で果南の目の前でやり遂げたかったから。

ラブライブのステージという本番で、目の前の観客に確かな輝きを見せたかったから。

 色々な不安すべてに対して、千歌は胸の中の勇気を振り絞ってできる!と言ったのかも知れません。

そして、一度は解散してしまった果南、鞠莉、ダイヤが作った最初のAqours

千歌が声をかけ、悩む少女の背中を押して、一歩一歩彼女たちらしく歩んできた2回目のAqours

この二つのAqoursを繋ぐものは、内浦という小さな田舎の小さな女子高。

廃校の危機にさらされているその学校を救おうと足掻き、自分たちの輝きを見つけようとがむしゃらに駆け抜ける彼女たち。

そんな彼女たちの全力のジャンプ。

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私の心が震えないわけがないんですよ。

前回の地区予選、MIRAI TICKETで船に乗り、未来へ旅立った彼女たち。

結果は負けでしたが、輝くとはどういうことか少しだけわかった千歌には、意味のある負けで。

そんな彼女たちの船が進んでいく時、水面には轍のような航跡波が、軌跡のように残ります。

水面に立った波は儚く消えることも、より大きな波として増幅することも有ります。

千歌のバク転は、見た人すべての記憶に残るパフォーマンスだったのではないでしょうか。

消えるはずだったAqoursの軌跡を観客の記憶に刻み、より大きなWAVEへの布石にする。

ピンチをチャンスに変える、実にAqoursらしいやり方です。

ダイヤから花丸まで、波が押し寄せるように回転した後、今度は花丸からダイヤまでより大きな波として戻っていくような振り付けも、すごく素敵だと思いました。

そしてステージが終わり、千歌がAqoursへ言葉をかけました。

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今日ここで、この9人で歌えたこと
私たちだけの輝き
それがなんなのか、どんな形をしているのか
私たち9人が見たこと
心を動かされたこと
目指したいこと
その素直な気持ちの中に、輝きはきっとある!

皆、信じてくれてありがとう! 

 難しいダンスフォーメーションで踊りたかった果南。果南と同じく、あの時のAqoursの心残りを無くしたかった鞠莉とダイヤ。

自分の手で成し遂げたかった千歌。千歌自身の過小評価を止めさせたかった曜と梨子。

皆が素直な気持ちでやりたいと思ったことを全部やり切った結果、そのパフォーマンスは輝きとして観客に映ったのだとしたら。

それはとっても素敵なことではないでしょうか。

千歌ちゃんがきちんと自信を持ったことで、Aqoursが本当の9人になった今、皆心から笑える関係になれました。

嘘偽りのない最高の笑顔は、誰の心にも届くと信じています。

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私は素敵な笑顔のこの子が大好きです。

終わりに。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。

皆さんにとっても、大事な回になったのではないでしょうか。 

 次回の#7「残された時間」。

なにやら不穏なタイトルですが、ついにひとつになったAqoursなら私はどこだって行ける、キセキだって起こせると信じています。

期待と不安にwaku-wakuしつつ、今回の感想を閉じたいと思います。 

本当にありがとうございました。

では、また次の感想で。